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空港地上職→26歳でプロデビュー、韓国へ 別れに涙「心揺さぶられ…」実感する“遠回り”の価値――バスケ・砂川夏輝

WKBLでプレーする砂川夏輝【写真:(C)WKBL】
WKBLでプレーする砂川夏輝【写真:(C)WKBL】

韓国1年目、言語の壁を乗り越え絆実感

 ウリ銀行は全員が寮生活。体育館も一体となった施設だった。WKBLは日本に比べて接触が激しいリーグということもあり、事前に「練習が厳しい」とは聞いていたが、ウリ銀行は想像をはるかに超えていた。過酷な練習はシーズン最終盤まで続き、「学生時代を含めて、人生で一番走りました」と振り返る。

 同じくアジア枠で加入した宮坂桃菜もいたが、それ以外はほぼ韓国の選手たち。文化が違えば、言葉も違う。慣れない生活の中で人生で初めて胃腸炎になり、シーズン中に唯一、1試合だけ欠場した。

 それでも、安定したボール運びや果敢なドライブで存在感を発揮し、PGとしてチームをけん引。ウリ銀行はレギュラーシーズンを全6チーム中1位で終え、プレーオフに駒を進めた。ファイナルで敗れて準優勝に終わったものの、「メンタルが一番鍛えられました。まだまだ自分はできるんだって思えるようになりました」と充実感にあふれたシーズンとなった。

 一方で、砂川が新たな挑戦で手にしたものは能力の向上や結果だけではなかった。

 1年目は専属通訳がおらず、日本語を少し話せるアシスタントコーチが橋渡し役を務めていた。それでも、日々の生活や練習中、常にそのコーチが近くにいるわけではない。だから英語を使ったり、韓国語を少しずつ覚えたりして、積極的にチームメートとコミュニケーションを取った。

「韓国の選手も日本語を覚えたりして、直接会話をしようとしてくれました。大変ではあるけど、お互いに頑張って会話をしようとしたことですぐに距離感が縮まり、意思疎通ができるようになりました。その関係性があったからこそ、あのシーズンを乗り切れたんだと思います」

 毎日朝から晩まで同じ場所で過ごし、苦しい練習を乗り越え、同じ目標へ向かう。そうして築いた絆は、言葉以上に強かった。ドラフト入団は1年契約。ファイナルを終えた瞬間は、涙が止まらなかった。

「もうこのメンバーと一緒にバスケットができないんだと思ったら、自分でもびっくりするくらい心が揺さぶられて。韓国挑戦の1年目から、それくらい濃い時間を過ごしました」

 プロバスケットボール選手になったからこそ築けた人とのつながりは、異国の地でも広がった。

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