1か月で解雇されても「もう1回行きたい」 海外で激変、又吉克樹の野球観…日本には「縛りがあった」

オイシックスでは手本に…自身の背中を追う若者に伝えたいこと
メキシコで変わったメンタルに、オイシックスでは技術的な発見が乗った。今季、CBO(チーフ・ベースボール・オフィサー)に就任した桑田真澄氏と入団後、フォームや投球スタイルについて話し合ったのだという。
「後ろを大きく、遠心力を使ってという話をして、キャッチボールも1回させてもらいました。そこで『このタイミングだね』というものがあったんです。あと自分はやはり、どちらかと言えばキレのピッチャー。キレとコントロールをなじませることで、付加価値が生まれるのかなと」
ソフトバンク時代の最後は、スピードを求めて投げていた。フォームもショートアームにするなど試行錯誤したが、なかなかタイミングが合わなかったという。それをサイドスローの特徴を生かしたものに変え「今のフォームがもう少しちゃんと噛み合ってくれば、もっと自分が見えていなかった部分が出てくるのかな」と感じている。自分はまだ伸びると信じられる日々だ。
又吉のチームでの役割は、もう一つある。周りにいるのはかつての自分と同じように、ドラフト指名へのラストチャンスにかける選手ばかりだ。又吉の野球人生は、オイシックスでの仲間が目指す姿そのもの。逆に新しいチームメートは、又吉の瞳にどう映っているのだろうか。
「もっと尖っていいと思うんですよね。いいものを持っているのに『俺はこれで絶対に上に駆け上がるんだ』というのを、ちょっと隠してるようにも見えるんです。そこを少しずつ出していけば、自分のモチベーションも上がるんじゃないかな。僕の時はもう『俺がナンバーワンピッチャーだ』と思って投げていたので」
又吉が中日のドラフト指名を受けたのは、もう13年前になる。この間投手の高速化は進み、その波はつい最近まで学生だった選手にも達している。又吉も「僕の時に比べると、ポテンシャルの高い子、球の速い子がいっぱいいるので」と認めるところだ。ただ世代の特性なのか、おとなしい印象も強いという。
「俺はこれで生きていくんだ、俺のこれを見てくれ……というのを、もっと前面に出して行く方がいいんじゃないかなとは、はたから見ていて思います」。その中でヒントを求め、近づいてきた選手も何人かいる。「僕は聞かれたら答えます。ただ、僕がみんなのことをまだ知らないので、知っていきつつ、聞いてきた時にポンとアドバイスができるようにしておきたいなと思います」。ブルペンの背番号19が、オイシックス選手の技術もメンタルも押し上げる。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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