届かなかった甲子園と指名漏れ…最後の夏から1年、大阪桐蔭主将の今 最先端部署で求める「発見」

名門ENEOSで「AI改革グループ」に配属「野球のことも聞いています」
6月に行われた都市対抗野球の予選では登板機会がなかった。「全試合が、大阪府大会の準決勝とか決勝みたいなテンションで……」と、先輩が喜怒哀楽をむき出しにする姿に驚かされた。ENEOSは東京ドームへ進めなかったものの、ここで活躍することが会社への貢献と、念願のドラフト指名につながると痛感した。
足を速くしたい、打率を上げたい…野球上達に“必須の能力”を学ぶ「運動神経向上LIVE」開催
大学日本代表との練習試合では初回、2安打と四球で1点を失ったものの、2、3回と3人ずつで片づけた。「久々の試合だったので、立ち上がりは力んでしまいましたね。途中からは力感やタイミングが合って、思うように投げられました」。1年間の進化を感じられる部分もあった。
昨年も、U-18日本代表の一員として、沖縄で行われた大学代表との壮行試合に登板した。小田康一郎(青学大―DeNA)や松下歩叶(法大―ヤクルト)ら、後のドラ1が並ぶ打線に対し2回2安打2失点。「あの時は大学生はすごいなという感じがあったんですけど、感じ方が変わりました。社会人チームでしっかりやっているんだから、抑えられるって」。入社してからの3か月で、心身ともに大きくなっている。
DeNAでも活躍した三上朋也投手コーチは、中野の長所を「とにかく素直なんです」と口にする。「競争させながら、社会人野球とはこういうものだと感じてもらおうと思っています。体もしっかり作らないといけませんし」。大学球界で鳴らした投手が居並ぶこのチームで、高卒投手が出番をつかむのは並大抵のことではない。それでも「世代を代表する選手になる素質はあると思いますよ」と温かい視線を送る。
東京・新橋にある本社では「AIイノベーション部、AI改革グループ」に配属された。まだできて2年目という部署で、野球部員の配属は初めて。中野は「ENEOSのAIを使って業務を改善する部署です」と説明する。ただ「僕は野球のこともAIに聞いたりしています。速い球を投げるにはとか、どうトレーニングすればいいかとか。発見もありますよ」と笑った。使えるものはすべて使い、道を切り開いていく。
再びドラフト指名が解禁となるのは、2028年の秋。即戦力でのプロ入りを叶えるために、最速155キロを目標に掲げている。現在は151キロ。社会人の環境とAIが、あと4キロの球速アップを叶えるか。挫折を乗り越えた中野は周囲にも支えられ、しっかりと前へ一歩を踏み出している。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
![[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト](https://the-ans.jp/wp-content/themes/the-answer-pc-v2/common/img/logo_c1.png)









