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福島千里、寺田明日香ら輩出…名門クラブの変貌 所属3人、働きながら走る「社会人アスリートの星」へ――北海道ハイテクAC・島田雪菜

働きながら競技ができる…目指す「社会人アスリートの星」

 島田は今、北央電設の総務部で経理や社員の健康管理に関する業務を担当する。勤務時間は「ちょっと時短」と、午前9時から午後4時まで。「ほぼ高校生のような感覚で、(退勤後)すぐに練習に行ってという感じですね」と笑う。基本は1人で練習し、週末は北風氏が指導をしている北翔大に足を運び、大学生と一緒に汗を流す。

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 現在、北海道ハイテクACに所属する選手は3人。島田のほか、女子走り高跳びで2016年日本選手権を制した京谷萌子、男子110メートル障害の高橋佑輔が在籍する。京谷は道内で保健体育の教員として、高橋は公務員として仕事を続けながら、競技に励む。

 加入した当時とは環境も変わった中で、島田は自分なりの競技人生の価値を見つけた。「社会人アスリート」として、働きながら走ることにポジティブな意味を見出す。

「新しいハイテクへと環境が変化していく中で思ったのは、陸上一本だけではなく、働きながら陸上をするということ。両立するからこそ、考えを絞り出せる部分もあるなって思うんです。何より家族や応援してくれる人もいる。自分が選んだ道でやり切った姿を見せたいですし、自分なりの成果を出したいという思いでやっています」

 もちろん、島田が求める成果は、競技場に刻まれる数字だけではない。競技者として、高校時代に出した自己ベスト11秒69の更新は目指しつつ、その先には社会人として競技を続けてきたからこその目標もある。

「代表からは『社会人アスリートの星になれ』とよく言われます。働きながら、競技ができるという姿を見せていきたいです」

 かけっこ教室を開いたり、中学校で社会人アスリートとしての働き方や経験を伝えたりする機会もある。世界を目指すようなトップアスリートだけに、競技を続ける道があるわけではない。仕事をしながら練習時間を捻出し、それぞれの目標を持って、大好きな陸上と向き合う。

 かつて世界を目指して名門に飛び込んだ島田は今、働きながら走るという新たな価値を体現している。その歩みもまた、形を変えた「北海道ハイテクAC」の歴史を次の時代へつないでいる。

(THE ANSWER編集部・上田 悠太 / Yuta Ueda)

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