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世界トップ3に肉薄も…自滅したラグビー日本、ラスト12分に明暗 露呈した“強豪国との格差”とは

個々のプレーを見ると…イタリア戦よりも容易じゃない現実

 イタリア戦同様に、日本は運動量、ワークレートで相手に対抗したことが、前半を13-19で折り返すスコアに繋がった。だが個々のプレーをみると、先週の世界10位相手よりも容易じゃない現実に晒されていた。

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 エディーは「セットピースは高いクオリティーで出来たと思う。そうだったからこそゲームにしっかりとついて行けた」と振り返ったが、聞きながらYesでありNoであったと感じていた。確かにスクラム成功率で日本の100%対82%、ラインアウトの92%対78%は、これから先へ向けてもポジティブな数字ではある。競り合う時間が長かったのも、セットの影響もあるだろう。PR竹内柊平(東京サントリーサンゴリアス)は「誰かが一人でスクラムを押すとかじゃなく、ロック、No8の足を上げる速さとか、ヒットのタイミングとかは、完全にジャパンが上だったと思う。スクラムのプランは遂行し切れたと思う」と自信を滾らせている。

 だが、現代のラグビーで勝つための大きなファクターと位置付けられるセットピースで、この優位性を勝利に結びつけることが出来なかったという現実と向き合う必要があるだろう。

 前半4分に相手ラインアウトでプレッシャーを掛けたFW勢と、一気にトライまで持って行った平は、瞬時に掴んだ自分たちの優位性をスコアに結び付けた。だが、あのトライシーン以外で、どこまでセットの優位性を“フィニッシュ”まで持ち込めたのか。その答えを、前半アイルランドの5トライに対して日本2トライのスコアボードが物語る。スコア出来るチャンスが、このトライ数が示す程の差があったとは思わない。むしろチャンスをスコアに結び付ける力の差が「2対5」だったと受け止めるべきだろう。

 ポジティブにこの敗戦を総括したエディーだが、続く質疑応答の中ではこんな指摘をしている。

「前半は全体的に後手に回ってしまったというか、下げられてしまったケースが多かった。相手のアタックを止め切れずに、ディフェンスを下げられてしまうと、攻撃でも前進するのが難しくなっていた」

 先制トライから互角に渡り合っていた側面があった40分間ではあったが、接点毎にジャパンが求めるハイテンポの球出しが出来ていたかというと疑問が残る。イタリア戦を分析すれば、どんな相手でも日本のアタックを接点でスローダウンさせたいと思うのは当たり前のことだ。アイルランドも、接点で重圧を掛けることで、日本のテンポを僅かでも明らかに遅れさせることに成功していた。

 日本が、アイルランドクラスの相手にもハイテンポの「超速ラグビー」をするには、この試合からさらにファーストコンタクトの強度を高め、2枚目、3枚目のサポートの集散スピードを高める必要がある。こんな宿題を、世界3位の接点での戦いぶり、その圧力から突き付けられた前半の40分だった。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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