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世界陸上で話題「カワノ、強くあれ!」の裏側 レース中に異例の檄…女子から男子へ、国籍をも越えて

9月に国立競技場で行われた陸上の世界選手権東京大会。9日間の熱戦を現地取材した「THE ANSWER」は、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「東京に集いし超人たち」を展開する。第30回は「異文化交流の素晴らしさ」。女子20キロ競歩、女子35キロ競歩に出場したヴィヴィアン・リラ(ブラジル)は35キロの競技中、男子の川野将虎(旭化成)に声をかけたことが話題になった32歳。日本語を果敢に勉強し、異文化交流を試みたという。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

女子20キロ競歩に出場したヴィヴィアン・リラ【写真:中戸川知世】
女子20キロ競歩に出場したヴィヴィアン・リラ【写真:中戸川知世】

東京世界陸上連載「東京に集いし超人たち」第30回

 9月に国立競技場で行われた陸上の世界選手権東京大会。9日間の熱戦を現地取材した「THE ANSWER」は、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「東京に集いし超人たち」を展開する。第30回は「異文化交流の素晴らしさ」。女子20キロ競歩、女子35キロ競歩に出場したヴィヴィアン・リラ(ブラジル)は35キロの競技中、男子の川野将虎(旭化成)に声をかけたことが話題になった32歳。日本語を果敢に勉強し、異文化交流を試みたという。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

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 大会初日に男女ともに行われた35キロ競歩。27キロ付近で突如ペースダウンした川野の横を通過するタイミングで、リラはたまらず声をかけた。

「Come on, Kawano, come on! let’s go, stronger!(カワノ、行こう! 強くあれ、強くあれ!)」

 苦悶の表情を浮かべながら必死に歩く姿を見て見ぬふりはできなかった。川野は檄に応え、18位で完歩。リラも13位でフィニッシュした。

 ネット上で拡散されるなど、話題になったこのシーン。有名な語学アプリ「デュオリンゴ」で日本語を学んだことが、この行動に拍車をかけた。「世界陸上に出場できると分かった時に、日本の人々と話したり交流したりするために、日本語を知りたいと思ったの」と説明する。

 4度の世界陸上出場を誇るベテランウォーカー。各国で行われる大会に出場するため、世界を飛び回ることも多い。「少し勉強して、色んな人と話してみる。本当に素晴らしい経験ができるわ」。せっかくの機会を自身の経験、成長に繋げることが大事だと理解している。

 宿泊したホテルでは、日本人のボランティアと共に日本語勉強に励んだ。今ではカタカナで自身のフルネームを書くことも出来るように。「すごく難しいと思っていたから書けて驚いたわ」と満面の笑みで教えてくれた。

 他にも、ホテルに居合わせたボランティアから、折り紙を習得。ブラジルに持ち帰り、甥と姪に教える予定だという。

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