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「もう出る」 桐生陣営はなぜ9秒台を確信できるのか 10秒04に感じた「伸びしろ」

21歳の肉体の進化「明日、100m走ろうと思えば走れるくらい」

 では、なぜ9秒台に限りなく確信に近い自信を持てるのか。

 前述の「伸びしろ」に加え、肉体の進化もある。桐生はレース後の消耗度について「明日、100メートル走ろうと思えば走れるくらい」とケロリと言った。「出雲も決勝で0台を出して(翌日は)ちょっとだけ重いなというくらい。去年は0台出した時は『重いな』『だるいな』と思った時もあったけど、今は練習もできる」と実感している。今年22歳。肉体は充実期を迎え、高い理想を追い得るだけの領域に入った。

 山縣、ケンブリッジという強力なライバルも9秒台を目指し、しのぎを削っている。誰が最も早く10秒の壁を打ち破るかについて、桐生は自然体を強調する。「9秒台を出したからといって引退じゃない。そこを通過点としてやりたい。世界選手権の決勝に残って勝負できるくらいにならないと」。そう言って、視線を上げた。

「次は世界のスタートラインに立ちたい。そこを出して、やっと位置につける」

 まだピークには遠い状態で、条件に泣かされながら叩き出した好タイム。土江コーチは「10秒0台をこれだけ続けて出すことの意味は自信を持てることにある」という。10秒04から掴んだ「伸びしろ」を自信にしながら、突き進んでいく桐生祥秀。次の100メートル出場は5月13日のダイヤモンドリーグ上海大会だ。「夢の9秒台」は、そう遠くない未来にやって来る。

【了】

ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer



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