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「もう出る」 桐生陣営はなぜ9秒台を確信できるのか 10秒04に感じた「伸びしろ」

「まだ完成されてない」―可能性感じる10秒04、向かい風の日本歴代最高記録

 可能性を感じる10秒04だった。

 何よりも0.3メートルの向かい風という条件。土江コーチが「ほんの数分前後の追い風で走れていたら……。あの瞬間だけの向かい風。もうちょっとずれていたら、違う展開になっていたと思う」というように、気まぐれな風に泣かされた形だが、向かい風での日本歴代最高記録。風次第では十分に9秒台が出ていてもおかしくなかった。

 走り自体にも「伸びしろ」はあった。「50~60メートルのところでもっと上げたかったし、もっと上がるなと思った、まだ完成されてない」と桐生。今年はラスト80~100メートルで落ちてない感触があるといい、「そこがうまくいけばベストもいけると思う」と課題を自己分析している。

 そして、まだ4月にして、今季3戦すべてで10秒0台をマークした。「7、8月に照準合わせて試している4月の段階で、これだけ0台が出たことは良かった。5月以降、もっと暖かくなれば伸びてくる」と振り返ったように、シーズン序盤ということを考えれば、タイムが縮む余地はある。

 これだけ冷静に分析しているのは、桐生陣営が9秒台を「通過点」と考えているからだろう。

 土江コーチは「もう出ます。出るかどうか(という時期)の問題は過ぎている。どこかのタイミングで9秒台が出ても、そこがゴールじゃない。ロンドンでそういう(9秒台の)選手たちと、戦うレベルにならないと」と、8月の世界選手権を見据える。あくまで、意識にあるのは9秒台のランナーがひしめく世界での勝負だ。

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