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「W杯で日本文化に感銘を…」「銭湯は毎日行ってるよ」 極東の日本に世界のラグビー大物が集まるワケ

国内最強の座を争うラグビー・リーグワンは、昨年12月9日から3シーズン目の熱闘をスタートした。多くのファンが注目するのは、秋のワールドカップ(W杯)フランス大会後に大挙来日した世界トップクラスの新加入選手たち。これまでもスター選手が集まっていたが、移籍が活性化するW杯ポストシーズンの今季は、さらにビッグネームが集まり、すでに日本のピッチで世界最高峰のプレーを披露している。ヨーロッパの強豪リーグ、そして南半球最強を謳うスーパーラグビーをも上回るほど多くのレジェンドたちは、何を目指し、何に惹かれて日本に集まるのか。彼らの資質と開幕戦からのパフォーマンスを検証しながら、“日本来襲”の理由を聞いた。(取材・文=吉田 宏)

リーグワンでプレーするアーディ・サベア(左)とリッチー・モウンガ【写真:Getty Images】
リーグワンでプレーするアーディ・サベア(左)とリッチー・モウンガ【写真:Getty Images】

3シーズン目を迎えたリーグワンに今季はさらに世界トップクラスが新加入

 国内最強の座を争うラグビー・リーグワンは、昨年12月9日から3シーズン目の熱闘をスタートした。多くのファンが注目するのは、秋のワールドカップ(W杯)フランス大会後に大挙来日した世界トップクラスの新加入選手たち。これまでもスター選手が集まっていたが、移籍が活性化するW杯ポストシーズンの今季は、さらにビッグネームが集まり、すでに日本のピッチで世界最高峰のプレーを披露している。ヨーロッパの強豪リーグ、そして南半球最強を謳うスーパーラグビーをも上回るほど多くのレジェンドたちは、何を目指し、何に惹かれて日本に集まるのか。彼らの資質と開幕戦からのパフォーマンスを検証しながら、“日本来襲”の理由を聞いた。(取材・文=吉田 宏)

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 国内最強リーグの“国際化”が止まらない。開幕節からW杯で躍動した多くのビッグネームがリーグワンデビューを果たし、日本代表勢も相まって、あたかもフランス大会の再現のような戦いが展開されている。

 開幕節で早くも日本デビューを果たした選手を挙げても、コベルコ神戸スティーラーズ FL/NO8アーディ・サベア(ニュージーランド代表81キャップ)、東芝ブレイブルーパス東京FLシャノン・フリゼル(同33キャップ)、SOリッチー・モウンガ(同56キャップ)、トヨタヴェルブリッツSHアーロン・スミス(同125キャップ)、東京サントリーサンゴリアスFLサム・ケイン(同95キャップ)に、W杯連覇を遂げた南アフリカ代表WTB/FBチェスリン・コルビ(南アフリカ代表31キャップ)と、世界中のラグビーファン誰もが知るスターたちがスタンドを沸かせた。

 どの国の強豪クラブも諸手を挙げて入団を歓迎する彼らが、何故この極東の島国へと引き寄せられるのだろうか。多くの選手が、いくつかの理由を重ね合わせたうえで総合的に判断して来日を決めているのは間違いない。23年シーズンのワールドラグビー最優秀選手に選ばれたサベアは、来日会見でこんな挨拶をしている。

「リーグワンは競争力の高いリーグです。世界中から才能のある選手がやって来ている。そこでどれだけいいパフォーマンスが出来るのかチャレンジするのが楽しみです」

 プロ化が進み、多くのトップ選手が公の場でリップサービスを怠らない時代だが、それを差し引いてもサベアのような選手でも日本の進化を認めている。デビュー戦となった先月9日の三重ホンダヒート戦では、ラックサイドの防御から好判断で相手SHを潰してオールブラックスの盟友、CTBナニ・ラウマペのトライの起点を作り、後半にはラックサイドを突いて同じくオールブラックのLOブロディ・レタリックのトライをアシストとゴージャスな連携プレーを披露。自身も敵陣ゴール前で好判断のサイドチェンジから、そしてキックボールの奪い合いに競り勝っての連続トライで、スピードとフィジカルの高さと共に卓越した得点への嗅覚を見せつけた。デビュー戦からフルタイムでプレーして、得意のダイビングトライも日本のファンにお披露目したサベアだが、この世界最高峰のバックローが敢えて日本を選んだ理由に、さらに踏み込んだ話も聞いた。

「2019年のW杯で来日して、そのときに触れた日本の文化に感銘を受け、もう一度戻りたいと考えていた。そんな時に神戸でプレーする仲のいいナニ(・ラウマペ)が、神戸に来ないかと声をかけてくれたので、またとないチャンスと思い、決めました」

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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