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上場企業でOL経験→ブランク3年で難関プロテスト合格 横峯父に導かれた25歳浅田実那の奇跡の1年

国内女子ゴルフツアーが活況を呈する中、今年も7月から日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)プロテストが実施された。10月31日からは岡山・JFE瀬戸内海GCで最終プロテストが行われ、19位タイまでの計21人が合格者となった。1次予選からの総受験者数は計698人で、合格率3.009%の超難関。25歳で挑戦5度目の浅田実那(あさだ・みな)は3年間、ゴルフから離れながらも悲願を達成した。空白期間は不動産会社のOL生活を送っていたが、中1から師事した横峯さくらの父・良郎氏に「もう1度、やってみろ」と誘われて昨年9月にカムバック。超難関突破までの道のりを浅田と良郎氏に聞いた。(取材・文=柳田 通斉)

QTに向けて調整する浅田実那(右)と師匠の横峯良郎氏【写真:横峯良郎氏提供】
QTに向けて調整する浅田実那(右)と師匠の横峯良郎氏【写真:横峯良郎氏提供】

合格率3%の女子ゴルフプロテスト、浅田を突破に導いた横峯良郎との日々

 国内女子ゴルフツアーが活況を呈する中、今年も7月から日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)プロテストが実施された。10月31日からは岡山・JFE瀬戸内海GCで最終プロテストが行われ、19位タイまでの計21人が合格者となった。1次予選からの総受験者数は計698人で、合格率3.009%の超難関。25歳で挑戦5度目の浅田実那(あさだ・みな)は3年間、ゴルフから離れながらも悲願を達成した。空白期間は不動産会社のOL生活を送っていたが、中1から師事した横峯さくらの父・良郎氏に「もう1度、やってみろ」と誘われて昨年9月にカムバック。超難関突破までの道のりを浅田と良郎氏に聞いた。(取材・文=柳田 通斉)

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 浅田は合格後、宮崎市内の自宅に戻っても「まだ、信じられない」と言った。

「本当に合格の実感がわかないんです。みなさん、とても喜んでくださるんですけど(笑)」

 最終プロテストは通算9アンダーの8位。合格ライン(5アンダー)まで4打の余裕があり、最終日の18番を終えた時は「72でスコアを伸ばせなかったことと、順位を落としてしまったことが悔しかった」。合格は確信。クラブハウス外の駐車場で待つ母に報告すると、涙を流しながら喜んでくれたという。

「母は『良かったね』『頑張ったね』と言って、ずっと泣いていました。でも、私は全く涙が出てこなくて、いまだに泣いていません。不思議です。ただ、1年前、この状況は想像できませんでした」

 浅田は11歳でゴルフを始めた。1歳離れた兄の影響だった。中学進学と同時にさくらアカデミーに入所。横峯を育てた良郎氏に師事し、ゴルフに没頭し始めた。

「先に兄が鹿児島にあったさくらアカデミーに入っていました。兄は1年で辞めてしまったのですが、私はおいちゃん(良郎氏)を信じて、アカデミーが宮崎に移ってもついて行きました。プロになると決めていたので、『学歴はいらない』と思って高校には進学しませんでした」

 キャディーのアルバイトなどをしながら、ゴルフと向き合う日々。当時、受験資格は18歳からで2016年に初挑戦した。1次予選を1打差で不通過となったが、ツアー予選会(QT)は3次まで進出し、TP(ツアープロ)単年登録。翌17年シーズンはステップ・アップ・ツアーを主戦場とし、レギュラーツアーにも4試合出場した。

 同年のプロテストは2次不通過も、QTは3次まで進出。18年も同様のプロ生活を送り、同年のプロテストは最終まで進むことができた。だが、19年のプロテストは2次で不通過。JLPGAのツアー規定が「20年シーズンからは原則、プロテストに合格するなどしたJLPGA会員でなければ試合に出場できない」と変更され、浅田はツアープロ生活を続けられなくなった。

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