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上場企業でOL経験→ブランク3年で難関プロテスト合格 横峯父に導かれた25歳浅田実那の奇跡の1年

良郎氏「娘のさくらをギャフンと言わせます」

 浅田はそれでも自信が持てず、1次予選の初日は「逃げ出したい気持ちだった」と振り返る。結果は通算3アンダー、16位で通過(カットラインは1オーバー)。2次予選も通算4アンダーの9位で通過(カットラインは2オーバー)した。精鋭が集う最終プロテストのコースで練習ラウンドをすると、「ここは広い」と感じた。

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「毎日、プレーしてきたトム・ワトソンGCがとにかく狭い林間コースなので広く感じました。あとは初日からペアリングに恵まれて、ピリピリした雰囲気なく回れたものもラッキーでした」

 初日は70で22位タイ。第2日は69、第3日は68と順調にスコアを伸ばし、通算9アンダーで3位タイにつけた。この時点での合格ラインは5アンダー。良郎氏には「もう、通るから。次のQTをイメージしながらプレーすればいい」と助言された。

「私は最後にやらかすタイプなので3位でも不安でした。でも、おいちゃんはこれまで通り、『受かるから』と言ってくれました。テスト前、周りの人にも『こいつは大丈夫。受かるから』と言うので『止めてくれ~』と思っていましたが、その日の言葉は心強かったです」

 最終日は1番からバーディーを獲得。設置されたリーダーボードを見ることなく、自分のプレーに集中した。

「最終日に伸ばせなかったことは悔しいですが、楽しく回れました。ボーダーライン上でプレーしていたらどうなっていたか分かりませんが、今までやってきたことは出せました」

 合格を決めた後、良郎氏に連絡すると「通るって言ったやろ。次はQTや。油断するな」と言われたという。事実、1次QTは今月21日から、最終QTは28日から行われる。ここで安堵して休んでいる暇はない。

良郎氏「レベルの高い今のプロテストに合格できる実力を出せれば、QTも通過できますよ。キャディーは私がやります。そして、来季は実那と一緒にツアーに出て、娘のさくらをギャフンと言わせます。『巨人の星』で星一徹がオズマを擁して息子の飛雄馬と戦ったようにね(笑)。もちろん、実那に稼がせてやります」

 浅田はそんな構想を知らないが、良郎氏への感謝には実感を込めた。

「私が自信をなくしても、おいちゃんは『大丈夫。受かるから』と言い続けてくれました。ここまで信じてきて良かったですし、これからもお世話になりたいです。そして、ギャラリーのみなさんを楽しませられるような魅せるゴルフができるように頑張りたいです」

 良郎氏&浅田の師弟コンビ。3年のブランクを乗り越えた“突破力”で、新たな戦いに挑む。

■浅田実那(あさだ・みな)
 1997年12月22日、愛知・名古屋市生まれ。11歳でゴルフを始め、18歳から4度のプロテスト受験後、21歳で断念。今年、3年ぶりの挑戦で、1次、2次、最終プロテストを一気に突破。ドライバーの平均飛距離240ヤード。目標とするプロは松山英樹。家族は両親、兄、妹。157センチ。血液型AB。

(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)

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