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世界の身長に愕然とした1年前 110m障害5位・泉谷駿介が克服した「175cmの劣等感」

世界の記者も、選手も認める存在に

 劣等感を抱いても、ファイナリストへの夢は諦められない。「小さい分、素早い動きはできる」。ハードル間の歩幅を細かく刻む動作を追求。大柄な選手には、より難しい。中盤の減速が収まり、粘りの走りを生んだ。「身長が小さくてよかった」。今ではそう言えるまで克服してみせた。

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 今年6月の日本選手権で3連覇。世界最高峰のダイヤモンドリーグ・ローザンヌ大会で初優勝を飾った。全種目を通じて日本男子初の快挙。「トップ選手と競っても焦らない。この経験は大きい」。今大会は予選、準決勝を堂々の着順で突破した。

 準決勝から決勝の間は1時間35分のみ。「決勝に行ったのかぁ」。実感を噛み締めながらトレーナーにケアをしてもらい、アップも軽めに抑えた。「でも、3本しっかり走れる体力、筋肉をつけなきゃいけない」。次のハードルを見つけた目には、力強さが宿っている。

 2021年東京五輪は日本勢57年ぶりとなる準決勝進出。3大会連続3度目となった今回の世界陸上は男女通じ、五輪を含めて日本人初の決勝だった。直前の記者室。スペイン人記者が「読んでいいか?」と日本の雑誌を手に取った。泉谷の顔写真を見て「メダル獲れそう?」と気にしていた。

 決勝後の取材エリアでは、4位だったフレディー・クリッテンデン(米国)から健闘を称えられた。ハグをしながら恥ずかし気に「サンキュー」と返した泉谷。世界の記者にも、選手にも知られ、認められる存在になった。

 体格で劣る子どもたちにも希望を与える快挙。しかし、満足感には浸っていない。レース直後は大型モニターを見上げ、メダルに狂喜乱舞する選手たちを目に焼き付けた。「近いようで遠い。盛り上がっていたので、自分も来年そこに立ちたいなと思って見ていました」。メダルの夢を叶えるのは来年のパリ五輪。可能性は十分にある。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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