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日本代表FW大迫が痛めた左膝関節包 長期化リスクが潜む怪我の最適な治療法とは

リハビリを急ぎ過ぎると、膝に慢性的に“水が溜まる”可能性が…

「大迫選手の場合、負傷したシーンを見ると膝後方の関節包の損傷が予想されます。特に後外側には、膝外側構成体(PLC)という、膝の安定性に寄与する部分があり、近年注目されている怪我の一つです。PLCは外側側副靭帯(LCL)、膝窩筋腱複合体(PTC)、弓状靭帯複合体から構成されていて、大迫選手は靭帯も痛めたと発言していたので、このうちのいずれかの靭帯も痛めているのではないでしょうか」と、膝の安定性を左右する靭帯にダメージが及んだ可能性を指摘している。

「膝外側構成体損傷は、組織が複雑に入り組んでいることもあり、MRIでは明確な鑑別がつきにくいケースがあります。徒手検査や症状などから診断されることが多い。症状には膝の痛みや腫れ、また不安定感などがあります」

 大迫の怪我の状況を分析した新盛院長は、同時に復活への道筋を急ぎ過ぎると、逆に長期化する恐れがあるという。

「治療は、まずは安静です。腫れや痛みを抑える。状態を見ながら徐々にランニングなどの運動を再開することになります。関節包の内側には滑膜があります。あまり急に動いてしまうと滑膜が炎症を起こす滑膜炎になり、膝に水が溜まります。繰り返すと水が溜まりやすい膝になり、慢性化してしまうので、特にリハビリ初期には慎重さが必要です。

 半月板や靭帯の手術を受けた選手が、早期復帰のためにリハビリを急ぎ過ぎて慢性的な滑膜炎を起こし、その後のキャリアで苦しんでいるアスリートもいます。例えば全治4週間と診察されたとしても、最初の1週と最後の1週では怪我をした組織の修復具合などで、リハビリの目的など意味合いが全く違うことを選手が理解することが重要になります」

 ブンデスリーガ終盤戦に差しかかり、ケルンは6位以上に与えられる欧州カップ戦出場権の獲得を目指して激しい争いを繰り広げているが、今季アントニー・モデストと好連携を築く大迫への依存度は高くなっている。そのため苦しいチーム状況から復帰を焦り、リハビリの強度を高め過ぎると、膝に水が慢性的に溜まるリスクが高まるという。

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新盛 淳司

芝浦田町スポーツ整骨院・はり治療院院長

柔道整復師、鍼灸師

新浦安しんもり整骨院入船院、新浦安しんもり整骨院今川院代表も務める。関節ニュートラル整体普及協会会員。サッカー元日本代表MF中村俊輔さんをセルティック時代から専属トレーナーとして支えるなど、トップアスリートのケアにも従事。

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