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井岡一翔の“距離感”に元世界王者も脱帽 「パッキャオの後継者」破り新たな歴史築くか

アンカハス戦の先に見据える頂上決戦

 この階級で最も評価が高く、強いと言われるのは、WBA&WBC統一王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)だ。前回の試合では、元最強王者のローマン・ゴンサレス(ニカラグア)との激闘を制し、WBCのベルトに加え、WBAのベルトを獲得した。次戦も“ロマゴン”との再戦が決まっていたが、コロナで延期されている。

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 井岡はことあるごとにエストラーダの名前を出し、対戦を望んできた。今回の試合に勝てば、試合の実現に近づくだろう。統一王者同士が戦えば、4団体統一の偉業を達成することになる。スーパーフライ級では過去に王座が統一されたことはないので、実現すれば初の快挙だ。

 井岡は2009年にプロデビューしてから、7戦目で世界タイトルを獲得している。その後は、統一戦や複数階級制覇などあらゆるタイトルを獲得してきた。今回の試合で30戦目となり、年齢も32歳と若くない。キャリアのゴールも見据えているだろう。年末の試合でどんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみだ。

 これまで数々の歴史を作ってきた井岡は、どこまで行くのだろうか。スーパーフライ級の頂上決戦は近いかもしれない。

(木村 悠 / Yu Kimura)

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木村 悠

1983年生まれ。大学卒業後の2006年にプロデビューし、商社に勤めながら戦う異色の「商社マンボクサー」として注目を集める。2014年に日本ライトフライ級王座を獲得すると、2015年11月には世界初挑戦で第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオンとなった。2016年の現役引退後は、株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動、社員研修、ダイエット事業など多方面で活躍。2019年から『オンラインジム』をオープンすると、2021年7月には初の著書『ザ・ラストダイエット』(集英社)を上梓した。

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