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「為末大と武井壮」 陸上界の“走りのプロ”が指導者人生で影響を受けた2人の存在

「スプリントコーチ」というジャンルを築き、サッカー日本代表選手、プロ野球選手など多くのトップアスリートに“理論に基づいた確かな走り”を提供する秋本真吾さん。その指導メソッドがスポーツ界で注目を浴びている一方で、最近はフォロワー2万人を数えるツイッターのほか、「note」を使って価値観を発信。「夢は叶いません」「陸上の走り方は怪我をする」「強豪校に行けば強くなれるのか?」など強いメッセージを届けている。

サッカーJ1浦和の槙野智章(右)を指導する秋本真吾さん【写真:@moto_graphys】
サッカーJ1浦和の槙野智章(右)を指導する秋本真吾さん【写真:@moto_graphys】

連載「秋本真吾の本音note」、今回は「僕が思う理想のコーチ像」

「スプリントコーチ」というジャンルを築き、サッカー日本代表選手、プロ野球選手など多くのトップアスリートに“理論に基づいた確かな走り”を提供する秋本真吾さん。その指導メソッドがスポーツ界で注目を浴びている一方で、最近はフォロワー2万人を数えるツイッターのほか、「note」を使って価値観を発信。「夢は叶いません」「陸上の走り方は怪我をする」「強豪校に行けば強くなれるのか?」など強いメッセージを届けている。

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 そんな秋本さんが「THE ANSWER」でメッセージを発信する連載。秋本さんの価値観に迫るインタビューを随時掲載する。今回のテーマは「僕が思う理想のコーチ像」。現役時代は400メートルハードルの選手としてオリンピック強化指定選手にも選出、引退後はさまざまな競技のトップ選手に走りを指導する秋本さんが自身の指導哲学とともに、自身が影響を受けた2人の存在も明かす。(聞き手=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

 ◇ ◇ ◇

――最近は私たちのようなネットメディアはもちろん、ツイッター、YouTube、noteなど、広く自由に情報の発信と伝達ができるようになり、それに伴い、スポーツ指導者も指導にまつわる情報、知識を獲得しやすくなりました。そんな中で、秋本さんは良い指導者像をどうイメージされますか。

「僕が目指していて理想のコーチング像にあるのは、選手が失敗した時になぜ失敗したかを考えて一緒に対策を練ってくれる指導者です。僕は単発のトレーニングをメインにしているので、教えたことに対してエラーが出て、選手が指導者に相談したいという時に僕はいなくなっている状態なんです。常に一緒にいるのなら、そういう指導をすると思います。『なんで失敗したと思う?』と投げかけ、理由をすべて書き出します。

 その上で、一個一個をどうすれば改善できるか、心をどう持つかという面と実際にどう行動するかという面で考えてみれば、おのずと答えが見えてくると思います。頭の中だけで考えていたら、答えが出ません。僕は一個一個を自分以外の誰かと書き進めながらやっていく手法はすごく良いと思っています。悩んでいる側はパニックに近い状態なので、冷静に考えられない。その分、冷静に考えてくれるコーチの存在は理想形かなと思っています」

――秋本さん自身は指導者人生に影響を与えた指導者はいるのでしょうか。

「大学を卒業してからは固定のコーチをつけなかったので、ワンポイントアドバイスをもらう方は何人かいました。その一人が為末大さんです。為末さんは、起きたことに何がダメだったかの考えに長けている人。僕は大学時代、毎日がむしゃらに練習して、結果が出てきたタイプ。自分の走り方の分析をほぼしてきませんでした。もちろん、自分のレース映像は見ていました、ただなんとなくぼんやり見ていた感じでした。為末さんと出会って、『勝つ人はこんなに考えているのか』と思わされました。メニューの一つ一つの構成、組み立て、レースパターンもそう、すべてを学ばせてもらいました。これが考えるということか、と。

 一度、言われたことがあるんです。25歳を過ぎた頃、『秋本、ここからは頭の勝負だぞ』と。『どれだけ頑張るかだけじゃなく、どう頑張るかも大事にした方がいい。どれだけ頭を使えるかだぞ』と言われました。当時は自分の能力が追い付いていなくて『あ、はい』くらいしか言えなかったけど、今はその意味がすごく分かります。逆に、29歳の頃に出会った武井壮さんはパッションだったり、力を持っている言葉だったり、想い、心の部分のコントロールをすごく学びました。為末さんには技術、武井さんには精神。そこはめちゃくちゃ学ばせてもらい、本当にプラスになりました」

――武井壮さんの「陸上人」としての凄さはどこにあると感じますか?

「武井さんの話を聞いていると、僕は固定された考え方に一つ一つ、とらわれすぎていたと感じました。『ああ、こういう考え方あるんだ』ということの連続です。ちょっとでも、こういう考えで生きられていたら変わっていたかもと思うくらい、武井さんは凄かったです。例えば、『体を自由自在に使えるようになることが競技力を高めるポイントだ』とよく言っていましたね。

 僕が見たのはコップを手に取るとしたら毎回、使う指を変えていること。その距離感とかバランスとか、常にどういう状態で体が使われているか意識し、日常をトレーニング化している。これは発想の問題じゃないですか。それで365日考えて何年何十年と蓄積されたら、それは強いです。そういう点で武井さんには物事の考え方、常識にとらわれない価値観は学びになりました」

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