渋野日向子が「特別」であるワケ 北田瑠衣が感じる“宮里藍との共通点”とは
渋野日向子と宮里藍に通じる部分とは「持って生まれたもの」
渋野は昨年8月の全英女子オープン優勝後、チャームポイントの笑顔が一躍脚光を浴びた。国民的ヒロインとなり、出場する試合の観客動員は毎回のように最多を記録。シーズン終盤、渋野と食事に行く機会があった北田は、いつもニコニコ明るくプレーしている姿を見て「これからきつくなるかもしれないけど大丈夫?」と聞いたという。調子が悪い時に無理を強いられる可能性があるからだった。
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返ってきた答えは「これが自分の自然体です」。渋野は最終戦終了時の会見で「ずっと笑っておかないといけないのかなと思う時もあった」と悩んだ時期について明かしていたが、良い時もそうでない時もありのままを貫いた。さらに「(最終戦の2週前に)予選落ちしてから応援のありがたみを凄く感じています。応援は本当に凄い励みになる。声援が後押ししてくれたから、1年間頑張ってこられた」と痛感していた。
北田は自然体でいられる渋野に対し「彼女は凄いな」と驚いたという。スポンサーやファンに感謝する大切さは、教えられても若いうちはなかなか体現できない。しかし、北田が見てきた中で、応援を力に変えるのが上手い選手がもう一人いる。2005年の第1回女子W杯でペアを組み、優勝した宮里藍さんだ。ともに戦い、親交の深い間柄。渋野との共通点についてこう明かした。
「日向子ちゃんもですが、藍ちゃんはジュニア時代から全て完成されている感じがしました。受け答えもそうですし、パーフェクト。藍ちゃんも、日向子ちゃんもスターですよね。プレースタイルは違いますが、人を惹きつける力というか、人が自然と寄ってくるというか。持って生まれたものがある感じがします」
どうすればそんな選手が生まれるのか。北田は「そういう人なんですよ、彼女たちは」と笑うが、やはり一つは“教育環境”があるという。宮里さん、渋野について「(両親の影響が)大きいと思います」と強調。一昔前と比べれば、練習環境や道具も揃えやすい恵まれた時代。しかし、技術だけでなく、今の指導者がジュニアに教えるべきことがあるようだ。
「やはりゴルフだけじゃないですよね。技術も必要ですが、人間性など教育も大事かなと。ゴルフは周りの人たちに大人が多いです。私の時はジュニア用のクラブもありませんでしたが、今は全てにおいて環境が整っていますよね。トレーニングやスイング理論も確立されてきています。
ゴルフに関してはしっかりとした指導者がいれば、親がノータッチでも遠回りせずにできると思います。だから、それ以外の部分で勉強だったり、人間性だったり、そういう面をしっかりサポートしていく必要がある。そうすれば、藍ちゃんや日向子ちゃんみたいな選手が出てくるのではないでしょうか」
プロゴルフに欠かせないギャラリーの存在。その応援を力に変えられるかどうかで差が一つ生まれる。ポジティブな性格に加え、言わずもがな感謝の心も大切なようだ。
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(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)