桑田真澄氏が“昭和の指導”で覚えた違和感「嫌だったんです」 小学生で既に疑問…胸に置く「なぜならば」

選手への声かけに仕掛け…質問に「もっていく」のはなぜ?
自分に必要なものにいつ気付けるかで、選手としての未来は全く違ったものになる。「学校でもそうじゃないですか。同じ授業を40人が受けても、優秀な人とそうじゃない人が出る。『これが大事なのか』とすぐにわかる人と『もうわかんないからいいや』と諦める人の差はどんどん開いていく。同じ話をしてもそうなってしまうので、できるだけ選手のタイプに合わせてやるようにしています」。そこで大事にしているのが、話をするタイミングだ。
「会った時に、いつも同じことを言われても嫌じゃないですか。だから『ここは言わないでおこう』とかタイミングを図っています。本当に伝えたい人とは別の人にまず言って、『ちょっと質問してもいいですか』と動くように持っていくこともありますね」
2月のキャンプでは選手をはじめ、チーム全体を見るところからスタートした。NPB経験豊富なベテランも、春まで学生だった選手も、ちょっとした気づきで生まれ変わる可能性があると信じるからだ。「そこで気づくか気づかないかは、本人次第なんですけど……」。あらゆる方法で導くのも、指導者の役割だという。
「できるだけ、本人に一歩踏み込ませたいんですよ。聞こうという一歩を踏み出してほしいんです。『ちょっと質問あるんですけど』と言うのはもう、意志ですから。そのために話しかけることは多いですね。『おはよう、元気か』とか『どうだ? 体張ってないか?』とか言いながら、実は『聞いて来ないかな……』と思っている。今日も来なかったなと思っても、僕は根気強いですよ」
昨年まで指揮を執った巨人と、NPBの2軍に参加して3年目のオイシックス。人員や設備といったハード面での違いは大きいが、選手の資質については「そんなに大きな差はないと思うんです」という。
「守備だってある程度うまいですし、球威があるピッチャーもいます。あとはデータに出ないところですかね。球速を追うばかりでなく、タイミングを外すとか、ボールの中での駆け引きとか。そういう部分は伝えていきたいですね。知恵としてね」
17日には、U-12日本代表の監督就任も発表された。自分に必要なものに気づき、地道に磨いた選手はぐんぐん伸びていく。「育てるには、時間と情熱と愛情が必要だと思いますので」。桑田氏はより多くの選手を変化に導こうと、粘り強く仕掛け、伝え続ける。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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