再生167万超、女子大生アスリートがTikTokでなぜ踊る? 性的な悪用対策も「ブルマの写真にいいねが…」大学陸上部がSNSを持つそれぞれの理由
X、インスタグラム、TikTok……。数多くのSNSが登場し、趣味からビジネスまで使い方も様々だ。近年は大学の体育会でも、部のアカウントを持つことは珍しくなくなった。競技力の向上と直接関係がないように思えるが、どのような目的でSNSを活用しているのか。5日から4日間、岡山のJFE晴れの国スタジアムで行われた陸上の第94回日本学生対校選手権(日本インカレ)。大学日本一を懸けた熱戦を取材した「THE ANSWER」はSNSを活用する目的、得られる効果を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

大学スポーツで増えるSNSの活用、日本インカレで強豪3校に狙いを聞いた
X、インスタグラム、TikTok……。数多くのSNSが登場し、趣味からビジネスまで使い方も様々だ。近年は大学の体育会でも、部のアカウントを持つことは珍しくなくなった。競技力の向上と直接関係がないように思えるが、どのような目的でSNSを活用しているのか。5日から4日間、岡山のJFE晴れの国スタジアムで行われた陸上の第94回日本学生対校選手権(日本インカレ)。大学日本一を懸けた熱戦を取材した「THE ANSWER」はSNSを活用する目的、得られる効果を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)
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多くの学校がSNSのアカウントを所有しているが、現場で今回取材したのは甲南大、園田学園大、そして東京学芸大の3校。各部のアカウントには特色があり、それぞれ異なる目的があった。
近年、大学陸上の女子スプリント戦線を席巻する甲南大(兵庫)。男子100メートルの元日本記録保持者・伊東浩司氏を顧問に持ち、在学中の2021年東京五輪で女子4×100メートルリレーに出場した青山華依(現ミキハウス)をはじめ、トップスプリンターを輩出してきた。髪色やネイルなど、自由な部則も特色の一つ。SNSはX、インスタグラム、YouTubeに加えてTikTokも活用している。
女子陸上部の部員はマネージャーを含めて35人。SNSは全員がログインでき、1日2人ずつ当番制でXとインスタグラムを中心に毎日最低2本の投稿をする。400メートル障害の佐岡沙都記(2年)に話を聞くと、SNS発信の一番の目的は「練習や活動の雰囲気を伝えること」と説明。応援してくれるOGはもちろん、入部を検討している高校生やその保護者、顧問も対象となっている。

Xやインスタグラム、YouTubeは日頃の練習や合宿、大会の様子などの活動を発信しているが、なかには髪色やネイルの“イメチェン”を紹介する投稿も。TikTokは4年生の主力から新入生・下級生関係なく流行りのアイドルソングに合わせて踊るショート動画も目立つ。
競技とは異なる投稿も部の雰囲気を知ってもらうため。同じ陸上競技部でも学校によって特色やルールは違う。より自分に合った環境を選ぶことは、4年間という長い大学生活を過ごすうえで重要となる。従来は先輩や指導者などの情報や、短期間の練習体験によって判断するしかなかったが、SNSは新入生と部のミスマッチ解消にもつながる。佐岡はSNSが甲南大陸上部に興味を持つきっかけの一つになったという。
フォロワー1.1万人のTikTokで発信する部員たちのダンス動画も、より幅広い層に部の活動を伝えるうえで効果を発揮する。インスタグラムでは検索した人にしか投稿が表示されないが、TikTokは流行りの音楽を使用することで、陸上への関心の有無にかかわらず多くのユーザーが目にする機会が増える。最も視聴回数が多かった動画は167万回。「TikTokをきっかけに知ってくださる方もいる」(佐岡)と実感している。