若手に早期の人生設計を求めない理由「無理だと思いますよ」

　今では積極的に必要性を発信しているが、決して若い選手に出産などの人生設計を考えることを求めているわけではない。「無理だと思いますよ（笑）。考えられないと思います」と断言する。自分もその道を通ってきたからだ。だからこそ、願いがある。

「今の若い選手に『託児所をつくるのに協力して』とは言わないです。そんなの無理だと思う。私もそうでした。気持ちよくプレーして、ゴルフのパフォーマンスを上げることを一番に考えてもらえればいい。

　私は発信することしかできないですが、今はその立場にあるので、私がどんどん発信して環境をつくっていただくきっかけになれば。今は若くして出産している選手もいますし、そういう選手がまた1人、2人と増えれば、どんどん進んでいくんじゃないかなと思います」

　今週はRKB×三井松島レディス（福岡CC和白C）で奮闘中。12日の初日はショットが乱れ、3バーディー、4ボギーの73で回り、1オーバーの48位発進だった。取材を終えると、ショットを修正をするため練習場へ向かった。ただ声を上げるのではなく、成績を残す必要があることは一番理解している。

「優勝は目指していますけど、とりあえずはコンスタントにいい順位に入れるように頑張りたいです」

　日本の女子スポーツで、年収が1億円を超える選手がこれほど多い競技はない。加えて出産後も復帰しやすい職場になれば……。また女子ゴルフの魅力が増えていく。