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女子ゴルフ界を「大きく前進」させた協会の一手 徐々に変わる「現役or引退して出産」の価値観

かつては「現役or引退して出産」の二者択一、今では若林に相談する若手も

「JLPGA Welcome Babies & Kids Project Supported by 住友商事」と名付けられた今回のプロジェクト。試合会場で安心して預けられるようにすることで競技に集中できる環境を提供し、選手およびJLPGA会員などが子ども連れで会場入りすることを歓迎する意味が込められている。今後はレギュラーツアーと下部に相当するステップ・アップ・ツアーのうち、数試合で設置される見込みだ。

 若林は2018年11月からJLPGAの産休制度を利用し、19年4月に龍之介君を出産。姉や会社員の夫のサポートを受けながら、20-21年シーズン開幕戦(20年6月)からツアーに復帰した。21年7月に出産後初優勝。1988年のツアー制施行後、出産後に優勝したのは6人目の快挙となり、龍之介君が初めて応援に駆けつけた大会でもあった。

 家族のサポートがあり、幸いにも託児所以外に預ける場所があった若林。だが、必ずしも環境に恵まれた選手ばかりではない。次世代の選手が出産後の現役復帰を選択肢に入れられるよう、自身がプレーで体現し、積極的に発信してきた。

「一人で子どもを連れてツアーを回るのは、なかなか難しいところがあります。私は普段から預ける人がいますが、今後はもしかしたら預ける人がいないという選手も出てくるかもしれない。こういう体制(託児所)は絶対に必要だと思います。今回はJLPGAが初めてしてくださる形になったので、凄く嬉しかったです。大きく一歩前進したところかなと思います」

 ゴルフは選手寿命が比較的長い競技。稀に出産後に復帰する選手もいたが、かつては「現役か」「引退して出産か」という二者択一の価値観が一般的だった。ところが最近では、若手から若林に「いくつで妊娠して、いくつで出産されたんですか」などと相談も。「(出産から復帰を)視野に入れるようになりました」と言われることが増えてきたという。

 若林は19歳でプロ転向。20代の頃、ツアー通算6勝の茂木宏美さんが出産から復帰し、環境改善を求めて奔走していることを知っていた。しかし、当時は他人事としか考えられず、「あの時一緒に産休制度、産後復帰後の環境を整えていく働きかけをできなかったことはとても後悔しています」という。

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