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母として夢を実現した岩清水梓 2歳愛息を抱いてピッチ入場、乗り越えた産後の体づくり

「息子が記憶に残せるぐらいまで選手として走れたらいい」と語った岩清水梓(前列左端)【写真:(C)TOKYO VERDY】
「息子が記憶に残せるぐらいまで選手として走れたらいい」と語った岩清水梓(前列左端)【写真:(C)TOKYO VERDY】

植木理子が明かした試合前の会話「初スタメンを勝ち試合で終われるように」

 ここに来るまでの道のりは決して平たんではなかった。特に大変だったこととして、岩清水は「産後復帰の体づくりとスタメンを取ることの大変さ」を挙げた。

「産後復帰の選手に戻るまでの体づくりが、今までにない経験でした。これまで長い期間ケガのリハビリを行ったこともなかったので、チームに合流する大変さを感じた。それに、チーム練習に復帰しても、(選手層が厚く)すぐに試合に出られるようなチームではないので、スタメンを取るというのも大変でした」

 なかでも岩清水を苦しめたのが、出産前の自分と出産後の自分に見られた明らかな“違い”だったという。

「産後復帰でみんなとの練習に戻ってからは、もともとと現在とに違いがあって凹むことがあった。でも、それを受け入れるところから始めて、それを受け入れられてからは、これも、あれもできるようになったという達成感があった。それに、時間をかけないとトップレベルには急には戻らない。まずは自分のプレーを受け入れることが大事かなと思って、みんなにしがみつきながら頑張りました」

 そんな頑張る“母”の姿を間近で見ていた植木理子は、この日、PKを含むハットトリックでチームを勝利に導いた立役者だが、試合前に岩清水とこんなやり取りをしていたことを明かした。

「試合前に少し話をしたのですが、『イワシさんの(復帰後)初スタメンを勝ち試合で終われるように頑張ります!』と話していたので、それが自分のゴールで勝てたのが、自分にとってもうれしいし、良かったなと思っています」

 今日の勝利で、チームは暫定4位に浮上した。「まだあきらめていない優勝に向かって、全部勝つという目標で、1試合1試合勝利にこだわって頑張っていきたい」と決意を新たにした。

 息子は、保育園に貼られたベレーザのポスターを指さして「ママ、ママ」と呼び始めたばかり。「つい最近、選手だと認識し始めたみたいです」とうれしそうに語る岩清水の次なる目標は、子どもが大きくなるまでプロサッカー選手で居続けることだ。

「息子が記憶に残せるぐらいまで選手として走れたらいいし、引退セレモニーで手紙をくれるぐらいまで続けられたらいいな」

 一つずつ夢を叶えてきたこれまでどおり、母としての夢を一つ叶えた岩清水梓の旅路はこれからも続いていく。

(THE ANSWER編集部)


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