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女性たちが憧れる「180度開脚」に警鐘 「綺麗なカラダになれる」の科学的効果なし

新体操やフィギュア選手の股関節が正常に働くのはなぜ?

 さらに、過剰な柔軟性により、年々、股関節が不安定になる恐れがあります。

 股関節は靭帯のほか、たくさんの筋肉によって支えられ、安定しています。ところが老化とともに筋肉量が減ると、当然、股関節を支える力は低下。股関節が不安定になり、コアに力が入らなかったり、歩きづらくなったりという問題が現れ、股関節が外れやすい、歩けなくなる、転倒するといった問題が降りかかります。

 では、体の構造上、適性の可動域を必要とするスポーツ……例えば、新体操やフィギュアスケートなどの選手やバレエダンサーなどの股関節は、なぜ正常に働くのでしょうか?

 理由は、成長過程から訓練を重ねたことで得られた柔軟性と、それを支えるだけの筋肉が備わっているからです。力士もそう。彼らは重量があるうえ、股関節も非常に柔軟ですが、靭帯がゆるんだり、切れたりしても、体が安定する構造を、トレーニングによって獲得しています。

 180度の開脚は、特殊なスポーツやダンスなどをする方以外、必要ありません。一般の方に必要な股関節の柔軟性は、「床に座り、90度開却しても 骨盤が後ろに倒れないで座ることができる」が、目安。「90度」開かない人は適度な柔軟性を維持できるよう、ストレッチを続けていきましょう。

 さて、股関節が硬い人にまずやってほしいのは、太もも内側の筋肉、内転筋のストレッチです。

 内転筋には、膝の骨(膝蓋骨)をまたいでいる筋肉とまたいでいない筋肉があります。その両方をストレッチすることが、着実に柔軟性を高めるポイント。どのように行うかは、次からのハウツーと動画をチェックしてみてください。

 ストレッチを週5日以上続けると、着実に柔軟性がアップしていきます。今回紹介する種目は就寝前のすき間時間にできますので、コツコツ続けていきましょう!

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中野ジェームズ修一

スポーツトレーナー

1971年、長野県生まれ。フィジカルトレーナー。米国スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球・福原愛、バドミントン・藤井瑞希らの現役時代を支えたほか、プロランナー神野大地、トランポリン競技選手など、多くのトップアスリートから信頼を集める。2014年以降、青山学院大駅伝チームのフィジカル強化指導を担当。東京・神楽坂に自身が技術責任者を務める会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」がある。主な著書に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)、『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)などベストセラー多数。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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