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日本の若きエースが苦悩 責任感ゆえの焦り、戸惑い…藤坂尚輝に立ちはだかる「2年目の壁」【ハンドボール・リーグH】

ハンドボール男子日本代表の若きエース、藤坂尚輝(23)が2年目の「壁」に苦しんでいる。ハンドボール・リーグHのプレーオフが12日、東京・代々木第一体育館で開幕。藤坂率いるレギュラーシーズン(RS)5位の大同フェニックス東海は、準々決勝で同4位のレッドトルネード佐賀に27-29で敗れた。

準々決勝で敗退した大同フェニックス東海の藤坂尚輝。取材に苦悩も明かした【写真:編集部】
準々決勝で敗退した大同フェニックス東海の藤坂尚輝。取材に苦悩も明かした【写真:編集部】

プレーオフ準々決勝でチームは敗退

 ハンドボール男子日本代表の若きエース、藤坂尚輝(23)が2年目の「壁」に苦しんでいる。ハンドボール・リーグHのプレーオフが12日、東京・代々木第一体育館で開幕。藤坂率いるレギュラーシーズン(RS)5位の大同フェニックス東海は、準々決勝で同4位のレッドトルネード佐賀に27-29で敗れた。

 日体大4年の一昨年12月にチーム入りし、いきなり中心選手として大活躍した。この日と同カードとなった昨年のプレーオフ準々決勝では13得点と大爆発。しかし、この日は5得点に終わってチームも準決勝進出を逃し「もっと自分ができていれば」と肩を落とした。

 RSから苦しんだ。途中加入で1年目の昨季は15試合で108得点、2年目の今季はさらに周囲の期待は大きくなったが、26試合で124得点だった。「去年は相手も初めてだったので自由にできたけれど、今年は研究され、マークも厳しくなった」と振り返った。

 36年ぶりに予選を突破して臨んだ24年パリ五輪にチーム最年少で出場。予選リーグで敗退したものの、海外で活躍するエース安平光佑に続くチーム2位の25得点をあげた。その後も日本代表でコンスタントに活躍し、司令塔として「チームでも代表でも、自分が引っ張らないといけないと思っている」と話した。

 巧みなシュートに多彩なパスワーク、抜群の攻撃センスが武器だが「相手が研究してきて、1年目のようにうまくいかないことも増えてきている」と藤坂。「自分がやらなければ」という強すぎる気持ちが空回りしたのかもしれない。

「ハンドボールをメジャーにしたい」と公言する通りファンを魅了するプレーも持ち味だが、この日は思うようにいかずスタンドまで苛立ちが伝わることさえあった。「すぐに切り替えようとは思っているんですけど…」。責任感が強すぎるからゆえの焦り、自分のプレーへの戸惑いや怒り。これが「2年目のジンクス」か。

 8月5日にフランス王者のパリ・サンジェルマン(PSG)と対戦する「ネクスト日本代表」のメンバーにも選ばれている。今後が期待される若手中心のチームで、すでに代表の中心として活躍する藤坂の選出は違和感もあるが「いい機会。頑張って、いいプレーがしたい」と前向きに話した。

 藤坂にとって、ブレイクのきっかけとなったのが日体大3年の23年に出場したPSG戦。世界トップの選手たちを華麗なプレーで驚かせ、そのまま日本代表へ定着した。今回も、そんな「きっかけ」になるのか。日本ハンドボールを世界に引き上げる頼れるエースへ、藤坂は目の前の「壁」に挑む。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)



荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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