女子ゴルフでわざと“隣のホール”へ打った22歳 「裏ルート」戦略で2位浮上、佐久間朱莉に関係者唸る「ムムム…さすが」
国内女子ツアーのアース・モンダミンカップ第3日が28日、千葉・カメリアヒルズCC(6688ヤード、パー72)で行われた。3位から出た佐久間朱莉(大東建託)は4バーディー、2ボギーの70で回って通算9アンダーとし、首位の河本結(RICOH)に1打差の2位につけた。激しい上位争いの中、17番パー4では、第1打を隣接する16番ホールのフェアウェーに放つ狙い通りのコースマネジメントも披露。今季、ツアー初優勝と2勝目を飾っている22歳が、最終日もゴルフ脳をフル回転して頂点を狙う。

アース・モンダミンカップ第3日
国内女子ツアーのアース・モンダミンカップ第3日が28日、千葉・カメリアヒルズCC(6688ヤード、パー72)で行われた。3位から出た佐久間朱莉(大東建託)は4バーディー、2ボギーの70で回って通算9アンダーとし、首位の河本結(RICOH)に1打差の2位につけた。激しい上位争いの中、17番パー4では、第1打を隣接する16番ホールのフェアウェーに放つ狙い通りのコースマネジメントも披露。今季、ツアー初優勝と2勝目を飾っている22歳が、最終日もゴルフ脳をフル回転して頂点を狙う。
17番パー4。佐久間のアドレスは左45度に向いていた。ギャラリーから「えっ、どこ向いてんの」「大丈夫なの」の声が上がる中、迷わずドライバーで放ったボールは、隣の16番パー4のフェアウェー真ん中に着弾。ラウンド後、佐久間は「狙い通りです」と言った。
「実は初日も最終組だったんで、人がいないのを確認してやっているんですよ。17番は去年までとは違ってドライバーで打ったら、(左の)バンカーに入る感じになっているし、左(16番)の方が広く感じたので」
そして、ピンまで残り172ヤードから5番ユーティリティーで放った第2打はピン右50センチにつき、この時点で首位の河本をとらえた。
ツアー6勝でコースセッティング担当の茂木宏美は、この場面を見て「ムムム、『さすが』と言うしかないです」とうなっていた。佐久間の話す通り、17番は2段階で改修されていた。昨年大会前は60ヤード伸ばし、今年の大会前は3つあったクロスバンカーを2つにし、1つをドライバーショットで入りやすい位置に配置していた。
だが、佐久間はそのワナを大胆な「裏ルート」を使うマネジメントで回避し、同組の河本にも「見せるな~」と言わしめた。
ただ、最終18番パー5は3パットでボギー。そこは悔やまれるが、「明日でなくて良かったです」とプラス思考を働かせた。今季は初優勝を飾った4月のKKT杯バンテリンレディスに続き、5月のブリヂストンレディスオープンでも勝利を手にした。「勝ち方」を覚えつつある佐久間は落ち着いたトーンで言った。
「1打差なので、明日は早いうちに追いついてスコアを伸ばしていきたいです。17番は状況を見て、どう攻めるかを考えます」
明日も佐久間は最終組。優勝を争う中で、大胆なコースマネジメントが再現されるかが注目される。
(柳田 通斉 / Michinari Yanagida)