天才でも、神童でもない那須川天心の目指す先 宿命は「戦うことで熱狂させる」 世界王座も通過点
ボクシングのWBC世界バンタム級1位・那須川天心(帝拳)が9日、世界前哨戦から一夜明け、都内で会見した。前夜は東京・有明コロシアムで同級ノンタイトル10回戦に臨み、WBA同級6位のビクトル・サンティリャン(ドミニカ共和国)に3-0(99-91、99-91、100-90)で判定勝ちした。ボクシング転向後は7連勝。周囲の見る目も変わってきた。歩みを止めることなく、世界戦とその先に向けて進んでいく。

那須川天心が会見
ボクシングのWBC世界バンタム級1位・那須川天心(帝拳)が9日、世界前哨戦から一夜明け、都内で会見した。前夜は東京・有明コロシアムで同級ノンタイトル10回戦に臨み、WBA同級6位のビクトル・サンティリャン(ドミニカ共和国)に3-0(99-91、99-91、100-90)で判定勝ちした。ボクシング転向後は7連勝。周囲の見る目も変わってきた。歩みを止めることなく、世界戦とその先に向けて進んでいく。
那須川は会見場に、左目の上にガーゼを貼った状態で登場。10ラウンド殴り合った前夜の激闘を物語った。「いろんな課題も見えたところもあり、さらにボクシングの奥深さを知れた試合でした」。世界王座も見えてきたが、最終目的地はそこじゃない。「強いだけでは僕は意味ないと思っている。周りを引き込むというか、誰が見ても愛してもらえるじゃないですけど、そういう人が僕は好きなので。そういう人になっていきたいと常に思う」と答えた。
会見後、囲み取材でも“天心節”が出た。今後の課題は「全部できないといけない。神で例えるなら全知全能のゼウスですよね」とギリシャ神話を持ち出して表現。「まだ(ボクシングは)2年しかやっていないのに『俺はこれなんだ』と決めてしまうと成長が止まってしまう」と重ねた。
前夜は「天心ー、頑張れー!」の声援に背中を押された。序盤から積極果敢な接近戦。偶然のバッティングにより左目上をカットし、流血しながらも激しく打ち合った。6回にしゃがみ込んでから放った左アッパーがサンティリャンの顔面を捉えると、会場は大歓声。最終10回も一歩も引かない猛攻を見せ、判定3-0の完勝を掴んだ。