44歳田臥勇太「おじさんになっても、あんな感情になる」 ベンチ外でも全うした役割、若手の台頭に喜び
Bリーグのチャンピオンシップ(CS)決勝第3戦が27日、横浜アリーナで行われ、宇都宮ブレックス(東地区1位)が琉球ゴールデンキングス(西地区1位)に73-71と逆転勝ち。対戦成績を2勝1敗とし、3季ぶりリーグ最多3度目の優勝を果たした。チームのレジェンド、田臥勇太(44)はベンチからチームを鼓舞。ケビン・ブラスウェルHCの急死という悲しみを乗り越えて、3度目の優勝を喜んだ。

Bリーグチャンピオンシップ決勝第3戦
Bリーグのチャンピオンシップ(CS)決勝第3戦が27日、横浜アリーナで行われ、宇都宮ブレックス(東地区1位)が琉球ゴールデンキングス(西地区1位)に73-71と逆転勝ち。対戦成績を2勝1敗とし、3季ぶりリーグ最多3度目の優勝を果たした。チームのレジェンド、田臥勇太(44)はベンチからチームを鼓舞。ケビン・ブラスウェルHCの急死という悲しみを乗り越えて、3度目の優勝を喜んだ。
試合終了間際、それまでベンチから立ち上がって声を枯らしていた田臥が、座って両手を合わせた。「とにかく、ケビンに勝たせてくれと祈っていた。最後の比江島の活躍は、ケビンがケツを叩いてくれたんだと思う」。優勝の瞬間、ベンチを飛び出して歓喜の輪に加わった。選手たちと抱き合った。3回目の優勝トロフィー。「何度掲げても最高。今回はケビンのこともあったし、特別でした」と話した。
秋田・能代工では史上初の3年連続高校3冠(総体、国体、選抜)、フェニックス・サンズで日本人初のNBA選手になった。08年にリンク栃木ブレックス(現宇都宮ブレックス)入りし、日本リーグでもプレー。日本バスケットボールの「顔」として活躍した。
栃木の中心選手として16年発足のBリーグに参加。初代チェアマン・川淵三郎氏の「カズ(三浦知良)が(V川崎に)いたおかげで、Jリーグは初年度から勢いがついた。田臥にはBリーグのカズになってほしい」という期待に応えてチームを初代王者に導き、発足当初のプロローグを人気と実力で引っ張った。

もっとも、今季のレギュラーシーズンは出場9試合で得点はわずか2。23分40秒の出場時間も、過去最も少なかった。それでも、練習では常に先頭。44歳の高い意識は後輩たちを刺激し、チームメートからの信頼も厚い。CSはベンチ外でプレー機会はなかったが、ベンチから大きな声で指示を出し、チームを鼓舞し続けた。
チームの主将らしく後輩たちの活躍にも目を細めた。「みんな能力はある。この大舞台で力を出してくれたのは、本当にうれしい」と、二回り近く年齢の離れた小川敦也ら若手の成長を喜んだ。
劇的な逆転勝ちに「勝ったのが信じられない」と言ったが、祝勝のシャンパンファイトでは音頭をとって歓喜に浸った。テレビでも動画配信でも、場内ビジョンでも、常に抜かれるのはベンチの田臥。感極まった様子も映し出された田臥は「おじさんになっても、あんな感情になる。幸せなことです」と、笑顔で話していた。(荻島弘一)
(THE ANSWER編集部)