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週末女子ゴルフで見られた“プロの振る舞い” 緊急搬送直前も…真っ先に勝者称えたスポーツマンシップ

11日まで茨城で行われた国内女子ゴルフのメジャー初戦・ワールドレディスサロンパス杯は37歳の申ジエ(スリーボンド)が藤田さいきとのプレーオフを制し、メジャー通算5勝目。ツアー通算29勝目を挙げて幕を閉じた。熱戦が繰り広げられた4日間では、随所に“プロらしい振る舞い”が見られた。

背負われてコースを後にする藤田さいき【写真:Getty Images】
背負われてコースを後にする藤田さいき【写真:Getty Images】

ワールドレディスサロンパス杯

 11日まで茨城で行われた国内女子ゴルフのメジャー初戦・ワールドレディスサロンパス杯は37歳の申ジエ(スリーボンド)が藤田さいきとのプレーオフを制し、メジャー通算5勝目。ツアー通算29勝目を挙げて幕を閉じた。熱戦が繰り広げられた4日間では、随所に“プロらしい振る舞い”が見られた。

 限界を超えた戦いだった。3日目まで首位を守っていた藤田だったが、第2日終了後には39度の発熱。夫でマネジャーの和晃さんの献身もあって熱は37.5度まで下がったが、最終日はせきこみながらのラウンドで、16番では嘔吐しそうになり、座り込むシーンもあった。プレーオフでは、申ジエが優勝を決めるパットを沈めると、その10秒後、真っ先に申ジエに駆け寄り、ハグしお辞儀をかわした。

 その後は動けなくなり、大会側は藤田が救急車で近隣の病院に搬送されたと発表。少し回復したところでコースに戻った藤田は、取材対応。「こんなにご迷惑をおかけして、ちゃんとジエちゃんに『おめでとう』を言いたかった」と涙を流した。最後までスポーツマンシップを示した場面だった。

 一方の申ジエは、30勝で手にできる国内ツアーの「永久シード」まであと1勝となる逆転V。遺憾なく実力を発揮した。そんな大ベテランが“神対応”を見せたのは第3日終了後。ラウンド後に行われたサイン会で少女から「パターが上手くなる方法ってありますか」と尋ねられた。

「ん~」と一呼吸置き「よく練習して」と一言。さらに「力抜いて。パッティングは手に力が同じようにすることが大事」とアドバイスした。ファンサービスもプロにとっては重要な仕事。少女にとっては忘れられないアドバイスになったはずだ。

 ベテラン2人が最後まで死闘を繰り広げた大会は、ルーキーにとっても重要な“学びの場”となった。予選の2日間は2024年度プロテスト合格者らが、裏方として大会運営に関わる「ルーキーキャンプ」に参加。JLPGA公式は青木香奈子と六車日那乃の2人がキャリング(スコアボードを運ぶ係)を担当した様子を動画で公開した。

 山内日菜子、新垣比菜、アマチュアの鳥居さくらの組についた2人はスコアの更新に苦戦するシーンもあったが、選手たちの進行を裏方として支えた。18ホールを回り終えた六車は「(ボードは)結構重いですし、こんなに大変だったとは」。青木も「さらにボランティアさんへの感謝と、プレーで恩返ししたいなと思いました」と語るなど、ツアープロ1年目の新人にとって、今後に向けたいい経験となったようだ。

(THE ANSWER編集部)



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