39度の熱、棄権勧められても「メジャーだから」 39歳藤田さいきが「-10」で首位堅守、完全Vに王手
12番から逆襲「頭の中をシンプルに」
だが、藤田はその後に真価を発揮した。12番で7メートルのバーディーパットを決め、13番でもスコアを伸ばした。そして、16番から3連続バーディー。一時は首位に5人が並んだ混戦状態から抜け出した。
「12番で獲った後、キャディーさんが『もう1個のバーディーでチャラなるから』と言ってくれました。グリーン上はタッチを合わせることだけを考えました。体調が悪い分、余計なことを考えずに頭の中をシンプルにしています。それが、いい結果につながっています」
結果、初日から3日連続で首位をキープ。勝てば、3年ぶりのツアー7勝目、メジャー2勝目、岡本綾子(46歳88日)、具玉姫(46歳45日)らに続く史上6番目の年長メジャー優勝者になるが、藤田は欲を出さずに言った。
「最終組で(申)ジエちゃんと回れることがめちゃくちゃ楽しみです。すごく勉強になるので」
明日11日が「母の日」であることを伝えられると、「母は会場には来ませんが、テレビで応援してくれています。頑張っている姿を見せたいですし、(優勝したら)喜んでくれると思います」。さらに自ら「(和晃さんが)昨日、運転中に飛来物で車の(フロント)ガラスが割れて『修理代が大変だ』と言っていました」と明かし、「頑張ります」と言葉に力を込めた。
体調は戻っていないが、藤田は2010年の日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯以来、15年ぶりにメジャーを制するため、支えてくれる人々のため、ファンのために、残り18ホールに全身全霊を尽くす。
(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)