Amazonプライムで生配信

　ボクシングの帝拳プロモーションは18日、都内で会見し、6月8日に東京・有明コロシアムでWBC世界バンタム級王者・中谷潤人（M.T）とIBF同級王者・西田凌佑（六島）の王座統一戦、那須川天心（帝拳）の世界前哨戦を開催すると発表した。この日は各選手が会見に出席。中谷は来春に計画されるビッグマッチへ「倒しに行く気持ちをもってトレーニングをしていきたい」と息巻いた。興行はAmazon プライム・ビデオで生配信。戦績は27歳の中谷が30勝（23KO）、28歳の西田が10勝（2KO）。

　中谷は2本目のバンタム級ベルトを前に胸を高鳴らせた。「本当に統一戦はフライ級時代からずっと口にしていた。やらせていただくことに感謝して全力で挑みたい」。同じサウスポー。愛称「ビッグバン」通りのド派手なKO劇が期待され「もちろんそういうアクションを増やしたい」と受け止めた。

　2月の前戦は同級6位だったダビド・クエジャル（メキシコ）に3回KO勝ち。3度目の防衛に成功した。米専門誌「ザ・リング」の階級を超えた格付けランク「パウンド・フォー・パウンド（PFP）」は8位につけ、2位の世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥（大橋）に次ぐ世界的な評価を受ける。来年春には井上と東京Dで戦うことも期待されている。

　井上戦実現に向けて負けられない。過去最強の相手を前にしても「もちろん強い選手なので全力で練習もしていきますし、倒しに行く気持ちをもってトレーニングをしていきたい」と譲る気はない。

　一方、井上は5月4日に米ネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナにて、WBA同級1位ラモン・カルデナス（米国）と防衛戦を行う。今月20日から米ロサンゼルス合宿に出発する中谷は「まだわからないけど、タイミングが合えば行くと思います」と生観戦を視野。「まずは西田選手に勝つことにフォーカスする。全ての能力をレベルアップさせたい」とさらなる成長を誓った。

　待ったをかけるのが西田だ。昨年5月のプロ9戦目で王座奪取。同12月に初防衛した。「自分は返上してでもやりたかった」と中谷戦実現に歓喜。だが、井上―中谷戦の機運が高まる状況に「踏み台にはならないぞという気持ちはあります。負けるつもりはないので勝ちに行きたい」と割り込む気概を溢れさせた。

　バンタム級の他2つの世界王座はWBAに堤聖也（角海老宝石）、WBOに武居由樹（大橋）が就き、日本人が主要4団体を独占している。中谷は西田との写真撮影でフェースオフ。睨み合いで顔を合わせ、「凄い熱い気持ちを感じる。僕も今までやってきたことを6月8日にぶつけたい」と迎え撃つ。

　那須川はWBA同級6位ビクトル・サンティリャン（ドミニカ共和国）と同級ノンタイトル10回戦で激突。11月頃に見据える世界初挑戦に向けた前哨戦になる。戦績は26歳の那須川が6勝（2KO）、29歳のサンティリャンが14勝（5KO）1敗。

　アマチュアの2021年世界選手権王者でWBO・APバンタム級2位の坪井智也（帝拳）が、プロ2戦目で同級王座決定戦10回戦で同級1位バン・タオ・トラン（ベトナム）と対戦。3月のプロデビュー戦で2回TKO勝ちした実力者が異例のプロ2戦目でタイトルに挑戦し、WBO世界12位とぶつかる。戦績は29歳の坪井が1勝（1KO）、32歳のバン・タオ・トランが18勝（10KO）1敗。