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井上尚弥「圧倒的な差で。何もさせずに勝つ」 早くも舌戦、悪童ネリも応戦「彼を恐れてない」

ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が6日、都内で会見し、5月6日に東京ドームで元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)との防衛戦を行うとついに正式発表した。過去の騒動で無期限資格停止処分を受けていた“悪童”との歴史的一戦。東京Dのボクシング興行は1990年のマイク・タイソン以来34年ぶりで、日本人初のメインイベントを務める。同日は世界戦が日本史上最多の4試合も入る超大型興行と発表。この日は来日したネリも出席し、早くも両者が対面した。

井上尚弥【写真:中戸川知世】
井上尚弥【写真:中戸川知世】

「5.6」東京Dの井上尚弥VSネリを正式発表、Amazon プライム・ビデオで独占生配信

 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が6日、都内で会見し、5月6日に東京ドームで元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)との防衛戦を行うとついに正式発表した。過去の騒動で無期限資格停止処分を受けていた“悪童”との歴史的一戦。東京Dのボクシング興行は1990年のマイク・タイソン以来34年ぶりで、日本人初のメインイベントを務める。同日は世界戦が日本史上最多の4試合も入る超大型興行と発表。この日は来日したネリも出席し、早くも両者が対面した。


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 日本人にとって因縁のある悪童との一戦がついに正式決定した。井上は昨年12月に世界2人目の2階級4団体統一の快挙を達成。4団体の防衛戦として迎え撃つのは、あのネリだ。先に登壇したサングラス姿の井上は「試合が決まるにあたり、まずこちらが王者ということで選択する範囲が広いので会長と相談した。WBCの指名挑戦者と戦うことを決めました」と説明し、相手の印象についてこう続けた。

「それはこれから自分の中で固めていきたいと思うけど、一発のパンチ力はある。映像を見る限り打たれ強いなと。そういうところをストロングポイントに挙げますね。(東京Dについて)まだ想像できないですけど、とてつもない興行だなと。そういう気持ちでいっぱいです。毎度同じように会場に関係なくいつも通りの気持ちで挑みたい。

(初の4団体防衛戦は)4団体の王者として相応しい試合をしたい。ネリに対して圧倒的な差で勝つことができれば、またステップアップできる。そういう試合ができるようにしたい。まずはこの試合に勝つことが大前提。内容的にはまずはこのネリに何もさせずに勝つ。そこを目指してあと2か月調整したい」

 一方、ジャケット姿のネリは着席後に井上と目を合わせた。両者は微笑みながら頷く。開口一番に「申し訳なかったと謝りたい」と過去の騒動を謝罪。オファーを受けた際の心境について「ニュースを聞いて嬉しかった。人生、キャリアでも待っていた試合。最強のボクサーと戦うことを望んでいる。イノウエは今、最強だと言われている。俺はモチベーションが高い」と息巻き、相手の印象についてこう語った。

「輝かしいキャリアを持っている。スピードがあってパワフルだ。良い選手だね。それを上回るために練習に励んでいる。彼はタレントがあり、たくさんの長所を持っている。恐れてはいない。リスペクトはしている。俺は東京Dで試合できるのを名誉に思っている。素晴らしいアリーナだと思う。タイソン以来のアリーナ。次に来たのがイノウエとネリの試合。俺は嬉しく思う。

 俺もナオヤと同じで会場は選手に関係ない。ボクサーはボクシングをする。ベルトのためではない。ただ、東京ドームで試合をできるのは嬉しい。素敵な場所。この日、この階級で世界最強の2人が試合をする。俺の12年のキャリアで一番重要で一番大切な試合。良い試合をしたい。俺の最良のパフォーマンスをしたい。勝つためにやってきた。メキシコ人ボクサーの中でも最強だと印象付けたい」

 ネリは2017年8月、WBC世界バンタム級王者だった山中慎介(帝拳)に挑戦。4回KO勝ちで王者になったが、その後の薬物検査で陽性反応が出た。18年3月の再戦では前日計量で2.3キロの大幅な体重超過。再計量も1.3キロオーバーで王座剥奪されたが、強行された試合で2回TKO勝ち。日本ボクシングコミッション(JBC)から国内のライセンス無期限停止処分を受けた。

 その後は海外でリング復帰したが、バンタム級で2度体重超過。スーパーバンタム級に転向し、20年9月に世界2階級制覇した。21年5月の統一戦で敗れたが、再起後は4連勝中。昨年2月のWBC挑戦者決定戦を制し、井上への挑戦権を手にした。今年2月、ネリ陣営はJBCに謝罪と資格回復を求める書面を提出。慎重に判断された結果、規定に基づき、処分が解除された。

 井上は「過去に因縁があるのもわかっています。自分も第2戦を会場で見ていた。そういう経緯があるのもわかっているけど、今回の試合は自分対ネリ。先ほどもネリが挨拶で言っていたけど、反省していると。過去の因縁は持ち込まないように戦いたい」と強調。ネリは「ナオヤのコメントはよかったし、嬉しい。俺は集中して試合に向けて戦いたい。日本の皆様が何を考えているかあまり考えずに集中させていただきたい」と話した。

 日本のファンからのブーイングも予想されるが、「俺はリングに上がると観客が消える。なんといっていいかわからないが、マジックのようなものだ。リングの上は俺とライバルだけ。観衆は消える。それはメキシコでも同じことだ」と気にならないと説明。「日本での試合はやりやすい。ナーバスになる必要がないから。メキシコでは家族、友だち、支援者が見えているからナーバスになる」と事もなげに明かした。

 今回の興行は現時点で世界戦が4つ組まれた。井上の弟のWBA世界バンタム級王者・拓真が石田匠と2度目の防衛戦、WBA世界フライ級王者・ユーリ阿久井政悟が桑原拓との初防衛戦、元K-1王者・武居由樹がWBO世界同級王者ジェイソン・マロニーに世界初挑戦が決定。同じ興行でこれまで国内最多だった3試合を超える超大型興行となる。

【5月6日の対戦カード】※試合順は未定
▽世界スーパーバンタム級4団体統一タイトルマッチ12回戦
4団体統一王者・井上尚弥(大橋)
VS
WBC同級1位ルイス・ネリ(メキシコ)

▽WBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦(指名試合)
王者・井上拓真(大橋)
VS
同級1位・石田匠(井岡)

▽WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦
王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)
VS
同級3位・桑原拓(大橋)

▽WBO世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
王者ジェイソン・マロニー(オーストラリア)
VS
同級10位・武居由樹(大橋)

○…興行はAmazon プライム・ビデオにて「Prime Video presents Live Boxing」の第8弾として独占生配信される。日本のプライム会員は追加料金なしで視聴可能。これまで井上戦のほか、2022年4月の村田諒太(帝拳)―ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)戦、那須川天心(帝拳)戦など全7回が生配信され、いずれも大きな反響を集めた。

(THE ANSWER編集部)



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