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　ボクシングのWBC＆WBAスーパー世界ライトフライ級（48.9キロ以下）2団体王座統一戦12回戦が1日、さいたまスーパーアリーナで行われ、WBC王者・寺地拳四朗（BMB）がWBAスーパー王者・京口紘人（ワタナベ）に7回2分36秒TKO勝ちした。10年ぶり2度目の日本人同士による王座統一戦で、日本人5人目の複数団体王座統一に成功。寺地は初防衛（通算9度目）、京口は5度目の防衛はならず、プロ初黒星で王座陥落した。戦績は30歳の寺地が20勝（12KO）1敗、28歳の京口が16勝（11KO）1敗。

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　初回から寺地が手数で上回る展開。京口が出てくると得意のステップワークで距離を取った。サイズの優位を生かし、前に詰める展開。アッパーやフックの応戦を受けたが、上下の打ち分けで好戦的に攻め続けた。3回に寺地がペースアップ。左右の拳を当てながらヒット＆アウェーで相手のパンチを空振りさせた。

　王者同士、ハイレベルな技術戦が繰り広げられた。5回前半、寺地のワンツーが炸裂。京口に尻もちをつかせ、ダウンを先取した。再開後も残り2分以上あり、ロープに詰めて猛ラッシュ。しかし、京口の反撃を受け、左フックで相手の顎を跳ね上げられた。決着は7回。連打で圧力を掛け、相手がふらついたところでラッシュ。ロープに倒したところでレフェリーが止めた。

　日本人同士の王座統一戦は、2012年6月にWBC世界ミニマム級王者・井岡一翔がWBA王者・八重樫東に判定勝ちして以来10年ぶり2度目だった。寺地の父・永（ひさし）会長は、京口について「我々が思っていた以上に気持ちが強い。チャンピオンだなと。途中スタミナが切れて逆転されそうになった。あれは京口チャンピオンが強かったから。本当に良い試合だった」と、愛息とライバル王者を労った。

　寺地を指導する三迫ジムの加藤健太チーフトレーナーも、京口について「やっぱり2階級制覇チャンピオン。本当に気持ちが強くて逆転されそうになった。本当に良いチャンピオン」と称賛。「拳四朗もいろいろなことを乗り越えてきた。それがあって今日も勝てたと思う」と賛辞を送り、試合についてこう振り返った。

「（5回に）効かせてからは力で倒そうとしていた。『力じゃ倒せないよ』と。角度を使って倒すように修正させた。普通に動いて、しっかり相手を見て打たれないように倒すことを言いました試合前は足を使うか、インファイトかの声があったけど、バックステップを使うのは今回やってない。京口選手は前に出るので無条件に出させると来る。しっかり地面を踏んでジャブを打つことを徹底させました。

（寺地が）ムキになってラッシュかけた以外は練習通りだった。もともと強気なところはあるのでああいう場面があるけど、あそこまでなったのは初めて。インターバルになってから落ち着かせた。ただ、ゲームプランは100％だった」

　大歓声で指示が届かなかった。「よく見ろ！って伝えたけど、思い切りいっていましたね」と苦笑い。「あれで終わって（勝って）いた可能性もあるので結果論。落ち着かせるように声をかけたけど、あの大歓声では届かなかった。インターバルで（落ち着くように）言った。あれが日本人同士の統一戦の怖さ。外国人相手ならいかなかったかもしれないですけど、目立ちたいとか早く終わりたいとかあった」と振り返った。

　反撃を受けた後、インターバルで笑っていた寺地と加藤トレーナー。「『行き過ぎた～』『やっちゃった～』って言うんで。『いいんだよ、いいんだよ』って。プラン的にはいいんだよって。（6回は）あそこはしっかり見る。京口選手が来ると思ったので、見合うことになってあそこはよかった」と説明。「メンタルもそうだし、人間的にも成長した。矢吹選手に負ける前だったら、あの場面でやられていたかもしれない。ああいう場面も乗り越えて、打ち勝って自信を取り戻した」と胸を張った。