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「補食」と「おやつ」は何が違う? 同じ間食でも異なる役割、親が知るべき使い分け

おやつには注意点、血糖値が急激に下がると過食の要因に

 次に1日に食べる補食の量ですが、基本は1日あたり、200kcalを目安にするとよいと思います。これはバナナ1本と牛乳コップ1杯を合わせた量に相当します。

 ただし、これはあくまでも目安。補食の適正な量は、体形、年齢、活動量などによって異なり、個人差が非常に大きいです。例えば私の見ている高校野球の選手は、体が小さいため、体重を5kg増やす目標を立てています。そのため、1日3500~5000kcalのエネルギーを食事と補食で摂っていますが、朝食の時間が早すぎたり、夕飯の時間が遅すぎたりで、3度の食事でたくさん食べられないときもあります。その場合、朝練前、昼食まで、午後の練習前、練習後、さらに塾に行く場合はその前に、という具合に、1日5回程に分けて、補食を摂っています。

 この選手は、1回に食べられる量が少ないため、特に回数が多くなっています。先ほど「おにぎりとチーズを組み合わせて」と言いましたが、一度にたくさん食べられない子は、無理をせず、1日に必要な量を食べられる回数で摂りましょう。

 最後に一つ、注意点を。おやつにはいわゆるお菓子を食べたい子どもが多いと思いますが、甘いお菓子は血糖値が急激に上がりやすく、下がりやすい特徴があります。急激に下がると「もっと食べたい」と脳が渇望。過食につながるため、太る要因になります。ですから、血糖値が急激に上がらないようコントロールする工夫を。おすすめは、牛乳やカフェオレを一緒に摂る。お菓子ではなく果物にすることです。血糖値の上昇が緩やかになって過食を抑制できるうえ、不足しがちな栄養素も補えますよ。

 最初にお伝えしたように、おやつと補食は同じ間食でも役割が異なります。スポーツ選手の場合、「おやつを食べるなら補食を摂ろう」という考え方がありますが、心と体の充実のため、両方をうまく組み合わせて食べる習慣をつけられるよう、親御さんや指導者の方がサポートしてあげられるといいですね。

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(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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吉谷 佳代

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

江崎グリコ株式会社で健康食品開発や、スポーツサプリメントの研究開発に従事。その傍ら、多くのアスリート、学生スポーツ、ジュニアへの栄養指導、食育イベントに携わる。2013年に独立。以降、ジュニアからトップアスリートまで幅広い競技の選手に対し、栄養サポートを行う。現在、プロ野球・阪神タイガース、実業団女子バレーボール・JTマーヴェラスのチーム専属栄養士。過去には、シスメックス女子陸上競技部(2015~2020年)、Bリーグ・西宮ストークス(2014~2017年)、自転車ナショナルチーム(2013~2018年)をはじめ多くのプロ選手やジュニア選手の栄養サポート実績を持つ。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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