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炭水化物は減らしても大丈夫? アスリートの減量の基本は「たんぱく質の計画的摂取」

減量期のアスリート、体重1kgあたりに適正なたんぱく質の摂取量は?

 まずは「たんぱく質の摂取量」について。減量中のアスリートは、体重1kgあたり1.6~2.4gのたんぱく質摂取が適正とされています。

 そして、なるべく1日を通して筋肉の合成に必要なたんぱく質が不足しないようにすることも大切。毎食、肉や魚などのおかずをしっかり摂る以外に、ヨーグルトやギリシャヨーグルト、低脂肪牛乳、プロテインバーなど、補食を取り入れるようにしましょう。

 特に、たんぱく質量が不足しやすいのは、朝食です。アスリートの中には、「食欲がわかない」「トレーニング時間との兼ね合いで、朝食がしっかりとれない」という選手も少なくありません。そこで、常備しておくと便利なのが、調理しなくても食べられるたんぱく質の多い食品。例えば、ゆで卵(市販の味付きたまごや半熟卵でOK)、低脂肪のカッテージチーズ、木綿豆腐、魚肉ソーセージ、ちくわなどは、選手たちにも「これなら食べられる」と好評です。

 次に「たんぱく質の質」についてです。アスリートにとって質のよいたんぱく質とは、「低脂肪の良質なタンパク質」を指します。そして、良質なたんぱく質とは「必須アミノ酸(体内で作り出すことのできないアミノ酸)」をバランス良く含むタンパク質です。

 なかでも今、スポーツの世界で注目されている必須アミノ酸は、タンパク質の合成を促す働きのあるロイシン。2021年11月に開催されたスポーツ栄養の世界的なサミット「We Nutrition Summit」のセッションでも、「減量時のアスリートはロイシンを多く含む動物性たんぱく質を過不足なく摂ると、筋肉を増量するうえで有利である」と発表されました。

 もちろん、たんぱく質を食べるだけでは筋肉は効率良く合成されないため、3つ目のポイント「筋たんぱく質の合成を促す運動」も重要。計画的にたんぱく質を摂り、トレーニングにより適切な刺激を筋肉に与えることで初めて、エネルギー制限下でも、筋肉量をなるべく減らさず、体重と脂肪量を減らすことができます。

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJ1横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けての食育活動も行う。アメリカ栄養士会スポーツ循環器栄養グループ(SCAN)並びに、スポーツ栄養の国際的組織PINESのメンバー。アメリカ栄養士会インターナショナルメンバー日本代表(IAAND)として、海外の栄養士との交流も多い。近著に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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