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炭水化物は減らしても大丈夫? アスリートの減量の基本は「たんぱく質の計画的摂取」

安易に炭水化物を減らしてしまっても大丈夫?

 アスリートが減量を進める際、まずは、体重をどれぐらいの期間にどれぐらい減らすのかを決める必要があります。そのうえで、1日に必要なエネルギー量を設定し、決められたエネルギーの範囲内で、1日に必要なたんぱく質や炭水化物、脂質の量を決めていきます。記事の最後に、体重75kgの選手の1日に摂りたいたんぱく質の目安量と、ロイシンを多く含むたんぱく質を示したので参考にしてくださいね。

 最後になりましたが、食事はたんぱく質のほかに何を食べるかも重要であることを忘れないようにしましょう。特に今、学生や社会人選手が安易に炭水化物を減らす傾向がみられますが、筋たんぱく質の合成にはご飯、麺、などの炭水化物も必要です。また、米やパスタに多く含まれる非必須アミノ酸のアルギニンには、体脂肪の燃焼を促す働きがあります。

「たんぱく質を増やそう」という意識よりも、「たんぱく質量は減らさず、余分な摂取エネルギー量を糖質と脂質から減らす」という考えで食事の内容や量を見直すと、減量もうまくいきますよ。

【減量時のたんぱく質量の出し方】

 75kgの選手の場合、1日のたんぱく質の摂取目標量は、75kg×1.8g(サッカーの場合。ただし競技種目や減量ペースにより異なる)=135g/日になります。

 これを食品に置き換えると以下の通りです(カッコ内の数字がたんぱく質量)。

 鶏むね肉 150g (35g)/鮭1切れ 80g (18g)/納豆1パック50g(8g)/木綿豆腐1/3丁(7g)/鶏卵1個(7g)/低脂肪牛乳コップ3杯(24g)/プレーンヨーグルト1カップ(4g)/ご飯丼3杯(23g)/スパゲティ1人前(13g)=合計約139g

【脂質が少なく、ロイシンを多く含む食品例】

 鶏ささ身 鶏むね肉 豚もも肉 牛ヒレ肉 かつお めばちまぐろの赤身 鮭 鶏卵 低脂肪牛乳 ヨーグルト

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJ1横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けての食育活動も行う。アメリカ栄養士会スポーツ循環器栄養グループ(SCAN)並びに、スポーツ栄養の国際的組織PINESのメンバー。アメリカ栄養士会インターナショナルメンバー日本代表(IAAND)として、海外の栄養士との交流も多い。近著に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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