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実業団ランナーと「セカンドキャリア論」 異色の駅伝監督が問う“引退後”の青写真

選手とコミュニケーションをとる柴田純一監督(左)【写真:河野正】
選手とコミュニケーションをとる柴田純一監督(左)【写真:河野正】

柴田監督は学校側の考えに共感「職場に残って戦力になれる環境づくりを」

 名門の大東文化大学で箱根駅伝に3度出場したほか、全日本大学駅伝では区間賞に輝き、関東学生選手権2部ハーフマラソンで優勝するなど実績を残した。しかし故障が絶えず、3年生の時は足の手術で箱根駅伝を回避。卒業後は今年のニューイヤー駅伝で初優勝を遂げた強豪Honda陸上部に加入したが、経験したことのないレベルについていけず、3年で退部し会社も辞めた。

 陸上界から身を引くと自家焙煎コーヒー店のオーナーを経て、母校の大東大で教員免許を取得。その後、東京農大三高(埼玉)で保健体育科の非常勤講師となり、2017年春から現職という異色のキャリアを積んでいる。

 埼玉医大では、ニューイヤー駅伝などで活躍することを期待して採用するのではなく、プライオリティーはあくまで病院業務で戦力になることだ。

 その一方で強豪の実業団は、大会で功成り名遂げることを目的にするチームが多く、プロ契約を交わす指導者も増えてきた。そうなると自身が生き残るためにも目の前の結果に執着し、強引な移籍交渉や選手に過度の練習を課すなど、アスリートの将来より自分の利益を先行させる向きもあるようなのだ。

 こういった傾向とは対極で、学校サイドの考えに共感する柴田監督は、「男子長距離界は(企業の)受け皿が多いが、30歳を過ぎても第一線でやれる人がどれだけいるか。年齢とともにパフォーマンスが落ちていく競技ですからね」と警告。その上で「30歳で引退したら、人生の半分以上を働くことになります。セカンドキャリアを考えると競技に全力で取り組みながら、引退後も職場に残って戦力になれる環境づくりをしてあげたい。これは自分の経験から言えることなのです」と説明した。

 移籍の問題もある。従来は本人がいくら希望しても、所属チームの承諾がないと移籍できなかった。そのルールが変更され、今は選手に移籍する意思があれば許認可しないといけなくなったことで、実力のある選手なら複数のチームを渡り歩くことも可能。この間に稼ぎまくるという手段もあるが、現実的ではない。

“その後”について、選手はどんな設計図を描いているのか。

 2016年の第67回全国高校駅伝で初優勝した倉敷(岡山)の5区を担い、箱根駅伝も経験して昨春、中央学院大学から加入した畝歩夢は「実業団で陸上を続ける希望を叶えていただき、アスリートとして支えてもらっているので、ここで恩返ししていきたい」と話す。箱根をはじめ大学3大駅伝のすべてに出場した同じく新人の石綿宏人(中央学院大学)は、「アスリートとしてたくさんの会社の方々に支えてもらっています。これからも病院で働き続けて長く貢献したい」と引退後もここで従事する覚悟でいる。

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