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“そば工場”から2軍球団へ、異色の4番打者がタイトル争い 大川陽大が覚醒した理由…元虎戦士も助言「納得できる」

昨年の今ごろは「そば工場」で働いていたという異色経歴の4番打者が、プロ野球の2軍イースタン・リーグで打撃タイトルを争っている。今季からオイシックスに加入した大川陽大外野手は、大学を出て独立リーグで強打者として鳴らすも、一度は現役引退を決意。昨季は長野県の社会人クラブチームでプレーした。2軍球団入りしたのはなぜなのか。NPBの投手と当たって感じた違いや、ステージが変わっても好成績を残せる理由を聞いた。

大川はパワフルな打撃が最大の魅力だ【写真:羽鳥慶太】
大川はパワフルな打撃が最大の魅力だ【写真:羽鳥慶太】

オイシックスの大川陽大、昨夏はそば工場勤務…なぜ2軍球団に?

 昨年の今ごろは「そば工場」で働いていたという異色経歴の4番打者が、プロ野球の2軍イースタン・リーグで打撃タイトルを争っている。今季からオイシックスに加入した大川陽大外野手は、大学を出て独立リーグで強打者として鳴らすも、一度は現役引退を決意。昨季は長野県の社会人クラブチームでプレーした。2軍球団入りしたのはなぜなのか。NPBの投手と当たって感じた違いや、ステージが変わっても好成績を残せる理由を聞いた。

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「とにかく、簡単に打てる球が来ないんです。独立リーグは変化球から入ってもストライクの確率が高くないので、見逃して打者有利のカウントに持っていくことができたんですが……」

 オイシックスとくふうハヤテという“2軍球団”には、独立リーグでトップクラスの成績を残していた選手が多い。大川もその一人だ。NPBの2軍との差を問うと、いくつもの違いが口をつく。ボールの強さ、キレに加え、考え方の転換も迫られる。「初球にフォークとか、真ん中のチェンジアップとか、全く頭にない球種を投げてくる。ストレートを打てるだけでは通用しないんです。カウントを取りにくる変化球を打ちに行かないと」。そして、次の対戦がすぐにやってくる。バージョンアップを迫られ続ける日々だ。

 大川は名城大(愛知)を出て今季4年目。11月には26歳を迎える。実は2年前に、一度現役引退を決めた。独立リーグの信濃で2年間、強打者として鳴らしたが、NPBからのドラフト指名はなかった。2023年の冬に“2軍球団”ができるという話を聞き、くふうハヤテのトライアウトを受けたものの、選手枠の関係もあり入団には至らなかった。

 ここで三重県の実家にまず「野球やめるわ」とだけ連絡。荷物をまとめて帰郷した。ただ、いざ父に会ってみると「本当にがっくりしていて……。『もしやってくれたらうれしい』と」。思い直したがすでに12月。ツテをたどって長野県の信越硬式野球クラブにたどり着いた。

 前身はNTT信越、都市対抗野球出場24回という名門だが、現在はあくまでクラブチーム。フルタイムの本業をこなした上で、野球もするのが大前提だ。大川が勤めていたのは、信州そばの製造販売を主力とする「山本食品」。製造ラインに入り、フォークリフトの免許をとって物品の移動もこなした。ただ、野球とはつかず離れずの日々だ。心がうずきだすのに時間はかからなかった。

「全てが野球というところからは離れようかなと思って、社会人野球の世界に行ったんですが、仕事と野球が半分ずつという生活で、やっぱりすっきりはしませんよね。もう一回、プロ寸前のところでやってみたいと思って……。社長に頭を下げて、オイシックスに来させてもらいました」

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