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沖縄育ちのスケーター 母が心配した幼少期「歩けるようになるのか」 負けん気で掴んだ全日本切符――早大・山田琉伸

肩を組み笑顔を見せる山田琉伸(中央)と父・俊司さん(左)と母・美和さん【写真:澤田直人】
肩を組み笑顔を見せる山田琉伸(中央)と父・俊司さん(左)と母・美和さん【写真:澤田直人】

ファンに囲まれ照れ笑い 父がそわそわ「サインあるのか」

 さらに上のレベルを目指し、埼玉栄高に進学。1学年上でミラノ・コルティナ五輪メダリストの佐藤駿らと練習を重ねた。早稲田大では2024年に初めて全日本選手権に出場。最終学年となった今季、再び大舞台への挑戦権を手にした。

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 高身長と長いリーチを活かし、華麗なステップやジャンプを披露する山田。しかし、生まれたばかりのころには、両親を心配させた出来事があった。先天性の内反足で足首が内側に曲がっていた。1歳になるまで足首に装具をつけて矯正していた。

 美和さんは「親としてはちゃんと歩けるようになるのかなという感じでした」と当時を振り返る。現在は競技への影響はなく、足首の柔軟性を活かしてリンクを舞う。母の心配をよそに力強く成長した。

 会場の外で姿を見せた山田は、応援ボードを持ったファンに囲まれ、サインをお願いされていた。マッキーを片手に笑顔で応じる息子を見て「サインなんか持っているのか」とそわそわする俊司さん。本人は「筆記体っぽく名前を書いただけですよ。でもありがたいです」と照れ笑いを浮かべた。

 そんな人柄を美和さんは沖縄で過ごした日々と重ねる。「優しさみたいなものは沖縄の人たちに囲まれて、温かい風土で育ったからかな」。いつか大きな舞台で活躍しエキシビションで沖縄らしい曲で滑る姿をひそかに期待している。

 山田自身が競技の先を見据えているのは培ってきたものを活かす道だ。「スケートや体づくりの研究をする中で、教える側も向いていると思っている。あとは怪我をしたときにトレーナーさんに助けられた思い出があるので、そういう方面はありかな」と展望を広げた。「沖縄でのスケート経験は自分でも珍しいと思う。沖縄の子たちが目指せるような存在になれたら」と将来を思い描く。

 その上で、まずは目の前の全日本選手権に集中する。「全部跳ばなきゃ勝てない。ひたすら練習を詰めて東日本以上に仕上げて持っていくしかない」。沖縄で育まれた温かさを胸に、氷上では誰よりも貪欲に。積み上げてきた努力をぶつける。

(THE ANSWER編集部・澤田 直人 / Naoto Sawada)

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