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「使い捨て」批判から教育の場へ 16歳でプロ入り…MLBが高卒資格を支えるワケ、ドミニカ選手に「手助けを」

16歳5か月でマイナー契約→21歳でメジャー昇格したサミュエル・バサヨ

 ドミニカ共和国出身、オリオールズのサミュエル・バサヨは、プロ野球選手になった後、高校卒業資格を取ったひとりである。2004年8月13日生まれ。16歳5か月でオリオールズとマイナー契約をした。21歳の誕生日を迎えた直後にメジャー昇格を果たし、デビュー8日後に、35歳の新人だった菅野智之投手とバッテリーを組んだ。すでに2033年までの契約延長もしており、球団期待の捕手である。

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 あなたにとってドミニカ共和国の高校卒業資格を得ることはどういう意味があるのかと聞いた。彼は流暢な英語でこう答えた。

「僕がやりたかったことだったのです。両親も、僕に高校を卒業してほしいと思っていました。だから、それを達成できたのはよかったですね。僕たちは野球選手なので、たくさんのことをしなければなりませんが、そのうえで、卒業することができるというのは、僕たちにとってよいことなのです。ラテン系の選手たちにとって重要なことなのです」

 彼はあまりにもスピード出世したので、仕事と学業の両立の難しさを抱えることになった。バサヨがドミニカンサマーリーグでプレーしたのは1シーズン、41試合に出場しただけ。2022年には米国のフロリダ州のルーキーリーグでプレー。2023年には1Aから1Aアドバンス、2Aまで駆け上がり、24年には3Aまで到達した。「アカデミーにいる選手たちは、アカデミーで授業を受けます。でも、僕のような状況になると、シングルAにいたときにも、ダブルAにいたときも、それをやらなければなりませんでした。たしか、トリプルAにいたときに終了しました」と言う。授業はオンラインで受けた。

 オリオールズの学習コーディネーターがスピード出世したバサヨの学習を支えた。「僕が授業を受ける時間を見つけてくれました。若い選手たちのために、本当によい仕事をしてくれています」

 現代の野球はさまざまな分析に基づいてパフォーマンスを向上させ、作戦も決められる。こういったことを理解するのにも基礎学力は欠かせない。野球の理解にも役立つかと聞くと「内容は普通の高校で学ぶのと同じで、それをアカデミーでやっているだけなのです。だから野球の分析とは直接は関係ないですね。自分の仕事をしながら授業を受けるというだけのことです」とのことだった。

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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