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「会う人会う人、Yahoo!って…何なん」 W杯で解せぬ疑問…知らぬところで育つ日本と久保竜彦の旅路

グローブをはめて何やらうれしそうなドラゴン、少年時代は巨人・篠塚に憧れる大型ショートだった【写真:須河千晶】
グローブをはめて何やらうれしそうなドラゴン、少年時代は巨人・篠塚に憧れる大型ショートだった【写真:須河千晶】

今企画初のケツカッチン 用意した缶ビールに手は…

 朝7時35分。前泊したホテルから今日も歩いてやってきた。「あぁーい、おはよう」

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 この日は今企画で初めての展開。この後、別の仕事が。

 形式的に缶ビールを並べたものの、ケツカッチンではさすがに手をつけない。代わりに編集部にあったグローブをはめ、室内で軽くキャッチボールをして体を温める。

「パシッ」――。

 主審の笛より早く響く、いつもと異なる音色が、運命の第3戦に始まりを告げた。

 ◇ ◇ ◇

 おにぎり(鮭)をつまみながら迎えたキックオフ。

 前半3分、裏カードでオランダ先制の報が届く。「早すぎるね」。4分後には追加点。「くあぁ……」

 対照的に日本はロングボールを多用して押し込まれ、我慢の展開。世界の屈強なDFを背負ったでっかい背中が、背もたれから離れない。

「(体が)重いんか……うーん、スウェーデンもやけん、まったりしとる」

 チャンスに「きあああ」、ピンチに「ぬおおお」と声を上げ、腰が初めて浮いたのは45分。

 ペナルティエリアで前田の落としから中村がノーステップで右足を振り抜く。「いぃぃいい……上手い」。GKのファインセーブ。落胆。

 前半終了。

 2つ目のおにぎり(めんたいこ)を胃袋に詰め込み、後半に向けて態勢を整えた。

 ◇ ◇ ◇

 ドラゴンの雄叫びが響いたのは後半11分。

「マエダあぁぁ!」

 菅原のパスを中央の上田が落とし、堂安がスルーパス。前田、流し込む。立ち上がって興奮。「ドーアン、上手い! カンペキ、完璧な崩しやん。菅原も上手い」。美しい崩し。VTRを見返す。「うまぁ」

「あと2点(で組1位)いけるやろ」。膨らむ期待。ところが、6分後――。

 左サイドを攻め込まれ、ペナルティエリア角付近から左足を振り抜かれる。よもやの失点。「……」。椅子を大きく引いて驚きを露わにするが、無言。VTRを見てポツリ。「いやぁ、くあぁ……狙ったんか」

 以降は劣勢。19分にはまずいボールロストから大ピンチ。「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……」。悲鳴に濁点が。鈴木のビッグセーブ。攻防も停滞し、短パンからのぞく脚を投げ出す。「(流れが)止まっとるな」

 試合終盤。そろそろ編集部を出ないと次の仕事がギリギリに。移動しながらのDAZN視聴を提案するが首を横に振る。「ここで観たい」

 アディショナルタイムは鞄を背負って画面に噛り付き、試合終了の笛を聞くと、手をパンと叩いて安堵。「よっしゃ、行こう」。選手たちのハイタッチの輪を見届けることなく、編集部を飛び出した。

 ◇ ◇ ◇

 試合後、移動のタクシー車内で実施した解説インタビュー。

 交代した堂安の怒りと直後に見た森保ジャパンの強さ、攻撃に目がいく日本で「こいつはいい」と光った守備職人、決勝T1回戦で激突するブラジル戦のポイントまで。車窓のレインボーブリッジを眺めながら語り尽くした。

「次、ブラジルか。しかも本気のブラジルよ。むっちゃ楽しみよ」

 この企画もカタールW杯、アジアカップに続き3度目。好評を博し、日本の1次リーグ突破で今大会4戦目を迎える。

「最近、会う人、会う人みんなに『Yahoo!』『Yahoo!』(で記事を読んだ)って言われるんやけど。何がどうなっとるんよ」

 ドラゴンの知らないところで、この企画は育ち、日本代表もまだ先へ進んでいく。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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