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部活のバス移動、責任は誰にあるか 米国でも過去に…「高校生死亡事故」から考える“安全コスト”

高校運動部の移動はスクールバスが多い

 次に、高校運動部の移動である。アメリカの高校運動部では、学校が認めている対外試合への移動は、スクールバスを利用して移動していることが多い。学校が用意した乗り物で移動するのがいやな場合は、保護者が子どもを送迎することになるが、これも学校やコーチに事前に承認を得るという手続きを取っていることが多い。

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 高校の運動部の試合にはスクールバスを使うことが多いと書いたが、ここでも、学区から割り当てられる予算のうち、移動にどのくらいのお金を使えるかという問題に直面する。スクールバスを使うだけのお金が確保できない場合は、保護者送迎になったり、また、参加費の徴収、参加費の金額を上げる、試合日程の調整でスクールバスの本数を削減することで調整するなどの手段をとっている。

 これは、運動部全体の予算というものがあり、移動に使える予算はいくらかという考え方でマネジメントされており、何もかもが各運動部のコーチ任せにはなっていないということでもある。遠征距離そのものに一定の歯止めをかける仕組みもある。私の住むミシガン州の高校体育連盟は、対外試合のための移動を州内と隣接する州までと定めている。

 わたしは我が子の中学校時代、予算削減によるスクールバス提供削減を経験した。運動部の試合が終わった後、復路はスクールバスが出ないことになった。保護者が迎えに行かなければいけない。復路のスクールバスが出ないと、試合会場に子どもが残されることがある。そうすると、コーチがしかたなく送り届けるという報酬のない仕事をすることも起こる。

 さらに、わたしの個人的な経験でいえば、学校の運動部でも、高校の管理下になく、非公式な試合のために移動するときの責任は、学校にはなく、学校からスクールバスなども出なかった。そこは、その試合に参加するか、どのような方法で移動するかも含めて保護者の責任になる。20人の部員の移動に、レンタカーを3、4台借りて親がそれぞれを運転するか、バスを借りるかについて、保護者による多数決で移動手段を決めた。

 一方で、小学校や中学校などと提携して放課後事業をするNPO主催の活動にスクールバスが使われているのはよく見かける。これは学区や学校が承認した活動で、バスを動かす費用はNPOが負担する仕組みになっていることが多い。

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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