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“控えGK”のメンタル術 元日本代表が語る心構えとチームにもたらす影響

控えGKに課せられるタスクは想像以上に大きい

 控えGKに出番がやってくるのは、ほとんどの場合が不慮の負傷や累積警告、退場処分など正GKにアクシデントが発生した時だ。突然出番が訪れた時のためにも、常に心身両面での準備が必要だという。

「もしものことがあっても『自分はこういったセービングができる』と、常にグラウンドでアピールする必要性がある。もしも、その気持ちを忘れて1日でもクオリティーを落としてしまうと、監督やGKコーチからは信頼を勝ち取れません。

 そういった意味で控えGKの方が、集中しなければいけません。チームメートもいつも出ているGKなら少しのミスであれば許してくれるところを、控えGKだと『そこでミスをするか!』という目で見られてしまいますからね」

 土肥氏は「試合に出られないからこそ、正GKとの間にあるギャップを自分自身で埋めていかなければいけないんです」とも語っている。

 厳しい視線を浴びせられているからこそ、出番はなくても手抜きは一切許されない。その妥協なき姿勢がチームに健全な競争力と成長をもたらすという。たとえゴールマウスの前に立てなくとも、チームに勝利をもたらすために、控えGKに課せられるタスクは想像以上に大きいようだ。

【了】

ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer


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土肥 洋一

東京ヴェルディ トップチームGKコーチ

日本サッカー協会公認A級コーチジェネラルライセンス取得

1973年7月25日、熊本県熊本市出身。
熊本県立大津高校卒業後、1992年にJFL日立製作所サッカー部(現J1柏レイソル)と契約。
2000年FC東京に移籍し、開幕戦より216試合フルタイム出場を果たす(当時のJリーグ記録)。
04年にはナビスコ杯MVP、Jリーグベストイレブンを受賞。
2008年東京ヴェルディ1969に移籍。2012年の現役引退後は、ヴェルディ育成GKコーチに就任。2014年9月よりヴェルディトップチームのGKコーチを務めている。
J1通算341試合出場、J2通算97試合に出場、Jリーグ功労選手賞も受賞している。
日本代表として国際Aマッチ4試合に出場。2006年ドイツW杯メンバー。

プロトレーナー木場克己氏とともに東京都国分寺市内で、アスリートらのコンディション調整、治療、指導などを行う「株式会社アスリートウェーブ」を経営している。

URL:http://athlete-wave.com/

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