指名漏れの痛みは世界共通「めちゃくちゃ泣きました。終わった…と」 韓国から2軍球団入りの21歳が感じた日本の「強さ」
プロ野球の2軍、ウエスタン・リーグに参加しているくふうハヤテには、1人だけ外国人選手がいる。韓国出身で、独立リーグの徳島を経て今季入団したチャン・ヒョンジン(張賢眞)内野手だ。ソウル高校を卒業してすぐ日本球界に飛び込み3年目。両国の違いなど、若い世代が見て感じた「リアル」を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部 羽鳥慶太)

くふうハヤテ唯一の外国人選手、チャン・ヒョンジン
プロ野球の2軍、ウエスタン・リーグに参加しているくふうハヤテには、1人だけ外国人選手がいる。韓国出身で、独立リーグの徳島を経て今季入団したチャン・ヒョンジン(張賢眞)内野手だ。ソウル高校を卒業してすぐ日本球界に飛び込み3年目。両国の違いなど、若い世代が見て感じた「リアル」を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部 羽鳥慶太)
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ドラフト会議が生むドラマは、万国共通だ。希望が叶った選手にとっても、叶わなかった選手にとっても忘れられない日となる。
2022年の9月15日。ソウル市内のホテルで行われた韓国プロ野球のドラフト会議を、チャン・ヒョンジンは自宅のテレビで見ていた。全体1位指名のキム・ソヒョン(ハンファ)をはじめ、高校のチームメートが名前を呼ばれていく中、待っても待っても、自分は呼ばれない。10球団が11ラウンドまで、計110人の指名を終えてもどこにもなかった。こみ上げるものを、抑えきれなかった。
「泣きましたね。めちゃくちゃ泣きました。お母さんも一緒にです。終わった……どうしようという感じで」
高校3年時に残した打率は.392。「自分では指名はあると信じていましたけど、絶対に行けるという感じでもなかった。最初は打率も.480くらいあったのが、どんどん落ちて行ったんです」。家族にも支えられ、プロ入りだけを目指してきた。中学の時も、高校の時も、野球に打ち込むために学校のすぐそばへ一家で転居したほどだった。夢が叶わないと知った時、次にどうすればいいのかわからなかったという。
「大学に行くことも考えたんですけど、野球をやめてしまった先輩もいたりして……。自分はいい大学に行くために野球をやってきたんじゃない。それなら、もっと試合が多くて野球に集中できるところはないかと探して……」。日本球界との縁が、ひょんなところでつながった。