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野性味爆発でダウン3度の衝撃TKO 活況バンタム級で蚊帳の外…武居由樹が天心戦で味わった悔しさ

ダウンを奪い吠えた武居【写真:高橋学】
ダウンを奪い吠えた武居【写真:高橋学】

取り戻した野性味、発言も血気盛んに

 ジムに帰り、元世界3階級制覇王者・八重樫東トレーナーのもとでガムシャラに練習した。デビューから8戦連続KO勝ちだったが、昨年の世界戦2試合は判定勝ち。「12ラウンドにビビっていた」とスタミナ面を考えすぎていた。「『もういいや!』とあまり深く考えないようにしないと」。現役時代に「激闘王」の異名を取った師匠のミットに拳を打ち付けた。

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 K-1出身でボクシングの土台が未熟だったが、「左のレベルが上がった」と怪我の功名も。「良い時の自分が帰ってきている」。KO街道を走っていた頃の「野性味」が湧き上がった。試合2日前の会見の姿もその証拠。「一方的にただ殴る試合にする」「ベルトに触らせる気はない」。発言も血気盛んになった。

 これまでは同門の世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)の前座。世界戦初のメインイベントを任され、K-1時代から苦手だったムエタイ特有のリズムを持つタイ人を退けた。八重樫トレーナーは「野性味を取り戻した。一度当てたら仕留めきるまで打つ。一気に攻め落としたのは、武居由樹らしかった」と頷いた。計量後の回復も「100点に近い」と今後も同級で戦えそうだ。

 中谷は6月8日にIBF王者・西田凌佑(六島)と王座統一戦を実施。武居がかねて対戦を熱望した那須川天心(帝拳)も同日に世界前哨戦を行い、11月頃の世界初挑戦を見据える。WBAにアントニオ・バルガス(米国)が就き、WBAには目の手術を受けた堤も休養王者として存在する。

 武居の次戦は指名試合だが、「クリアしたら誰だってやる。もう1本くらいベルト欲しいですね」とよだれを垂らした。リングで那須川の名前は出さず「彼は王者ではないので、まだいいかな。まあ応援しています」と懐は深い。リングサイドで生観戦した堤が「ありがたい」と武居の統一戦希望を歓迎した通り、復帰後にバルガスとの対戦指令をクリアすれば、武居VS堤の可能性もある。

 一時の眠りから覚めたこの日の主役は言った。

「僕は何でも行きます。最近になってベルト1本じゃ物足りなくなってきた。自分はまだまだ。チャレンジャーなので、まだまだ上を目指したい」

 一度、アクセルをベタ踏みすれば、もう止まらない。

(THE ANSWER編集部・澤田 直人 / Naoto Sawada)

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