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井上尚弥、かつて記者にも求めた期待を煽る記事 落ちたモチベーションが再び「最強」に戻るまで

フルトンを倒し、コーナーで雄叫びを上げる井上【写真:荒川祐史】
フルトンを倒し、コーナーで雄叫びを上げる井上【写真:荒川祐史】

解放されたモンスターは止められない「まだまだ強い姿を見せられる」

 バンタム級時代は11キロに及ぶ減量苦を経験。終盤に足がつりかけ、パンチに力が乗らない試合もあった。だが、今回は違う。減量中も筋肉量を比較的落とさず試合を迎えた。「パワーはもちろん、スピードもより増している。不安材料が全くない」。しかも、相手は2人の無敗王者からベルトを奪ってきたフルトン。試合に向けたスパーリングは非公開にした。

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「過去イチ気合いが入っているし、それだけ慎重に進めてきた」。立場は5年2か月ぶりの挑戦者。チームTシャツ、グラブも挑戦者カラーの青にした。陣営の大橋秀行会長が「とにかく気合いの入り方が凄い」と驚くほどの練習風景。生み出すのに苦労したはずのモチベーションは、全身から勝手に湧き出てきた。

「試合前の計量が60.1キロ。バンタム級の時とさほど変わらないんですよ。でもスピード、パンチへの体重の乗り、ステップワークの安定が全く違う。凄くやりがいがありました。この試合に向けて凄くモチベーションが高かったし、試合中は楽しかったですよ。技術戦で凄く頭を使ったし、楽しく戦っていた。(バンタム級時代と)ちょっと違いましたね」

 4団体統一と4階級制覇を成し遂げたのは、カネロことサウル・アルバレス(メキシコ)に次ぐ世界2人目の歴史的快挙。この日、観戦に駆けつけたWBAスーパー&IBF王者マーロン・タパレス(フィリピン)とリング上で年内の対戦を約束した。

「リカバリー、減量方法もまだまだ改善することは山ほどある。まだまだスーパーバンタム級で強い姿を見せられる」

 モチベーションまで最強になってしまったモンスター。新たな領域でも、世界を統べていくのだろう。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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