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ラグビー日本代表「46→33人」サバイバル W杯8強超えへ、51日間の強化合宿のポイントは?

リストから見える複数ポジションを兼務できる選手起用の思惑

 熱心なラグビーファンなら、今回の46人以外にも実績のある選手は思い浮かぶだろう。だが藤井ディレクターは「合宿参加を断った選手もいたが、彼らが再招集されることはないと思う。怪我で名前がない選手も、おそらく(W杯までに)間に合わないだろう」と語り、ほぼ門戸は閉ざされている現実を印象づけた。

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 リーグワンでのパフォーマンスで期待されたSO(スタンドオフ)山沢拓也、FB(フルバック)野口竜司(ともに埼玉WK)が選外となり、司令塔は同じく埼玉WK所属で代表でも実績のある松田力也と、若手の李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)の2人に絞られたが、FBとの2つのポジションの兼ね合いが選考に影響した。同ディレクターは「SOを1人リザーブに入れるのは難しい。他のポジションもできる選手が必要だった。山中(亮平/神戸S/FB)は怪我にも強いし、パフォーマンスもずっと良かったが、年齢も高いので彼と同じパフォーマンスができる選手ということで小倉(順平/横浜キヤノンイーグルス/FB)を選んだ」と選考理由を説明。FBで選ばれた2人に、SOのカバーも求める。リザーブにSH(スクラムハーフ)の1枠を確保するためには、他のBK(バックス)に複数ポジションを兼務できる選手を起用したいという思惑だ。

 この絞り込まれたメンバーたちが、今後は千葉・浦安(6月12~30日)、宮崎(7月3日~8月3日)の2つの合宿と実戦でふるいにかけられ、合宿、テストマッチ後にはW杯戦士33人が確定する。ちなみに、わずか10人という候補選手については、代表2軍というよりはFLピーター・ラブスカフニ(S東京ベイ)、NO8(ナンバーエイト)テビタ・タタフ(東京SG)のように怪我や手術で合宿にフル参戦できない実力派と、代表で手薄なポジションを補完する役割も担う。昨季はHO(フッカー)坂手淳史が務めた主将は、すでに内定しているが後日の発表になるという。

 では、「選考」から「チーム強化」へギアを上げることになる合宿は、具体的にどんなことにフォーカスが当てられるのだろうか。ジョセフHCは、こうコメントしている。

「浦安合宿ではコンタクトエリアでの攻防におけるタックル精度を、ナショナルレベルまで引き上げていくことを狙いとしてチーム力を向上させて、より強固な絆を作っていきたい。7月から始まる国内テストマッチでは、その先に待つ本番への準備を加速させたい」

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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