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高橋大輔のような選手は「育てられない」 中2から指導、恩師が語る親子すら超えた絆

今の時代は4回転を「跳べて当たり前」

――その三宅選手、四大陸選手権出場は素晴らしい成果です。国際大会で、アイスダンスの高橋選手と同じ舞台に立つことになりました。

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「星南はジャンプを降りたら、次が続かなかったんですが。しつこく言い続けていたら、やっとできるようになってきました。四大陸選手権は行けたらいいとは思っていましたが、あのメンバーだとしんどいよね、とも話していたので、よくやってくれたと思います。今シーズン、参加したオーストリア杯の裏がワルシャワ杯で、『ワルシャワやったら大輔と一緒にできたのに』と星南に言ったら、『そんな、緊張して何もできません!』と言っていましたが、おかげで大輔と同じ大会に出られることになりました。それも縁ですね」

――高橋選手は他の選手がセーフティに4回転を回避する時代に挑戦し、多くのドラマを作りました。最後に、“たら・れば”ですが、もし高橋選手が今20歳だったら、いかがでしょう?

「大輔は自然に跳べていると思います。当時、4回転は特別だと思っていたんですよ。人がやろうとしないことをするのが難しかった。誤解を恐れずに言えば、後からやっていく子はその点で難しさはないですよ。できるもんだ、と思ってやれるので。今は跳べて当たり前、何種類も跳べています。大輔の前にも4回転に挑戦していた選手はいて(日本人では本田武史氏が大会で初めて成功)、最初にやるっていうのが難しい。大輔がトウループに挑戦して上手くいかなかった時、フリップをやらせていましたけど、当時はトウループをすごく難しいと思っていましたから。私も含め、認識がまるで違いますね」

(小宮 良之 / Yoshiyuki Komiya)

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長光歌子

関大アイススケート部コーチ 
1951年生まれ、兵庫県出身。66年の全日本ジュニア選手権で優勝するなど選手として実績を残すと、引退後は指導者として多くのスケーターを育てる。高橋大輔を中学時代から指導し、2010年バンクーバー五輪で銅メダル、同年の世界選手権で優勝に導いた。フィギュアスケートをこよなく愛し、現在は関大アイススケート部コーチを務める。

小宮 良之

1972年生まれ。大学卒業後にスペインのバルセロナに渡り、スポーツライターに。トリノ五輪、ドイツW杯を現地取材後、2006年から日本に拠点を移す。アスリートと心を通わすインタビューに定評があり、『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など多くの著書がある。2018年に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家としてもデビュー。少年少女の熱い生き方を描き、重松清氏の賞賛を受けた。2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を上梓。

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