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「最強ロシア女子」の衝撃 15歳ザギトワ&18歳メドベージェワ、至高のノーミス決戦

メドベージェワの演技は気迫にあふれたがザギトワに一歩及ばず

 SPは上位8名全員がレベル4を揃え、ジャンプで転倒する選手が1人もいないハイレベルな演技が繰り広げられた。順位はザギトワが1位、メドベージェワが2位、3位にオズモンド。その後に4位宮原、5位坂本と日本の選手が続いた。

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 そしてフリーを迎え、最終グループが登場する。

 最初の滑走者は宮原。その滑りは「完璧」の一言だった。すべてのジャンプの成功は無論のこと、スピード感と磨いてきた表現の面でも観る者を惹きつける。演技後、ガッツポーズが出るのも当然だった。

 得点は146.44点と日本歴代最高得点(当時)を更新。自身が保持していた総合の日本歴代最高総合得点も更新する222.38点を得た。

 続くコストナーがジャンプでミスは出たものの、変わらぬスケーティングの美しさとともに演技を終えた後、リンクに姿を現したのは坂本。初出場とは思えない思い切りの良い演技を披露する。ジャンプで1つ、ステップアウトはあった。だが全体に、大舞台に呑まれることなく滑り切り、136.53点。総合209.71点。

 この時点で1位は宮原、2位にコストナー、3位坂本。残るは3人。ザギトワが登場する。

 すべてのジャンプを得点が1.1倍になる後半に組み込むという構成に賛否両論はあったが、その構成とジャンプの精度の高さとともに世界のトップを競う位置に来たザギトワは、五輪でもその強みを見せる。最初に予定していたコンビネーションジャンプは単独になったが、その後のジャンプでリカバリー。ノーミスで滑り終え、156.65点、総合239.57点で1位に立つ。続くオズモンドはステップアウトがあったものの、冒頭の幅のあるコンビネーションジャンプをはじめ実力を発揮し、ザギトワに次ぐ2位につけた。

 最終滑走のメドベージェワの演技は、すべてを出し切ったと言うにふさわしかった。1つのミスも許されないプレッシャーのもと、それを微塵も感じさせない演技を見せ、ミスがなかったのは無論のこと、魂に呼びかけるような気迫にもあふれていた。

 得点は156.65点。ザギトワと同じスコアであった瞬間、SPでリードしていたザギトワの優勝が決まった。

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松原 孝臣

1967年生まれ。早稲田大学を卒業後、出版社勤務を経てフリーライターに。その後スポーツ総合誌「Number」の編集に10年携わり、再びフリーとなってノンフィクションなど幅広い分野で執筆している。スポーツでは主に五輪競技を中心に追い、夏季は2004年アテネ大会以降、冬季は2002年ソルトレークシティ大会から現地で取材。著書に『高齢者は社会資源だ』(ハリウコミュニケーションズ)、『フライングガールズ―高梨沙羅と女子ジャンプの挑戦―』(文藝春秋)、『メダリストに学ぶ前人未到の結果を出す力』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

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