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王者・羽生結弦が誕生した日 19歳で「怖さを知った」五輪、金メダルを呼んだ心の強さ

快挙を引き寄せた“想いを背負う”姿勢

 また、ソチまでの4年の間に羽生は多くの経験をした。東日本大震災で被災し、練習場所もままならない状況もあった。その時、多くのスケーターが手を差し伸べてくれたことを忘れていなかった。

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「そのおかげで僕はここにいられると思います。自分はここに1人で立っています。でも表彰台に上った時、日本の皆さんの想いを背負って演技できたことをうれしく思いました」

 自身のスケートを真摯に追い求め、そして他者を思い、リンクに立つ。最後の最後に踏みとどまった要因ではなかったか。そしてソチでの、多くの人の想いを背負う姿勢は、その後もより際立っていくことになった。

 大会では町田樹が5位、高橋大輔が6位と入賞を果たした。

 町田はフリーの冒頭、4回転トウループこそ転倒したものの次の4回転トウループ以降は成功。ショートプログラム11位から巻き返した。

 怪我の影響も抱えていた高橋も最後まであきらめない滑りで6位。バンクーバー五輪に続きオリンピックで出場3枠を確保し、金メダルを獲得した羽生を筆頭に3選手すべてが入賞。2大会続けてのこの成績は、日本男子の地力の確かな底上げを実感させた。

(松原 孝臣 / Takaomi Matsubara)

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松原 孝臣

1967年生まれ。早稲田大学を卒業後、出版社勤務を経てフリーライターに。その後スポーツ総合誌「Number」の編集に10年携わり、再びフリーとなってノンフィクションなど幅広い分野で執筆している。スポーツでは主に五輪競技を中心に追い、夏季は2004年アテネ大会以降、冬季は2002年ソルトレークシティ大会から現地で取材。著書に『高齢者は社会資源だ』(ハリウコミュニケーションズ)、『フライングガールズ―高梨沙羅と女子ジャンプの挑戦―』(文藝春秋)、『メダリストに学ぶ前人未到の結果を出す力』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

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