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井上尚弥の「見えないパンチ」の威力 元世界王者、ディパエン戦で見えた凄さを解説

ボクシングの階級差は大きいが、井上なら十分に戦える

 試合後のインタビューで、井上は「戦前の予想、期待を遥かに下回る試合をしてしまい、大変申し訳ありませんでした」と話していたが、倒さなければならない、KOを期待された状態で試合をするのは、かなりのプレッシャーがかかる。

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 特にボクシングでは、倒そうと放ったパンチではなく、無意識で放ったパンチで倒れるケースが多い。倒そうと思えば思うほど力んでしまい、攻撃も単調になりやすい。

 そんな状況でも、8ラウンドで仕留めるのはさすが井上だろう。

 試合後の会見で「スーパーバンタム級での戦いも視野に入れて、いろいろとこれから話し合っていきたいと思います」と、階級変更の可能性についても言及した。所属する大橋ジムの大橋秀行会長も「今後についてはドネアが最有力になっているが、あとはカシメロがWBOからどういう措置になるか。もし、こじれて試合が実現できないようだと、スーパーバンタム級に上げることも考えている」と話している。

 井上はバンタム級でも10キロ近く減量しているようなので、階級を上げても十分に戦えるだろう。しかし、相手の体格や耐久力も上がるので、これまでのような戦い方ができるか分からない。

 あの、マニー・パッキャオ(フィリピン)やフロイド・メイウェザー(米国)でさえ、複数階級を制覇するたびにKO率は落ちていった。それだけボクシングでの階級差というのは大きい。スーパーバンタム級での体づくりや肉体改造は必須になってくるだろう。

 願わくは、バンタム級で4団体統一の偉業を成し遂げてからスーパーバンタム級、フェザー級と制覇していってほしい。2022年も井上のさらなる躍進に期待したい。

(木村 悠 / Yu Kimura)

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木村 悠

1983年生まれ。大学卒業後の2006年にプロデビューし、商社に勤めながら戦う異色の「商社マンボクサー」として注目を集める。2014年に日本ライトフライ級王座を獲得すると、2015年11月には世界初挑戦で第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオンとなった。2016年の現役引退後は、株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動、社員研修、ダイエット事業など多方面で活躍。2019年から『オンラインジム』をオープンすると、2021年7月には初の著書『ザ・ラストダイエット』(集英社)を上梓した。

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