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なぜ、40歳になっても殴り合うのか ナイジェリア育ちの異色ボクサーが生き抜く死線

YouTubeで大切にしてきた姿勢とは【写真:浜田洋平】
YouTubeで大切にしてきた姿勢とは【写真:浜田洋平】

YouTubeで大切にしてきた「あなたはどう思うんですか」の姿勢

 何歳になっても、成長を目指すことは変わらない。吉野戦の前には「39歳になって初めてちゃんと基本をやるって、もう本当におかしい」と笑いながらも基礎を徹底。今まであまり見せなかったガードを上げるスタイルでリングに上がった。ディフェンシブになった一方、「勢いがなくなった」と持ち味を消失。攻守を使い分け「やっぱり物は使いよう。今回はミックスしてみた」と汗を流してきた。

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 限りなく続くトライ&エラー。ここに40歳でもリングに立つ原動力が詰まっていた。

「練習で『俺は前よりも進歩している』と感じられた。成長があるから続けている。プロボクシングって勝つことが一番大事だと思っているんです。なので、自分が進歩しなくなった、もう勝てなくなったならば、やっぱりもう続けられない。ただ、もともと好きで始めたスポーツじゃないですか。好きで始めたのに、自分はまだ進歩できると思っているのに、周りに『あなたはもう辞めないといけない』『価値がないから』みたいに決められるのが、俺はいちっっっばん嫌なんすよ」

 優しい口調から一変、急に語気を強めた。自ら進んだ道は自ら舵を取る。「『勝ち負け』と『続ける、続けない』は、同じラインの話じゃないんですよね。仮に勝ったとしても『俺はこれ以上無理だな』と思ったら、たぶんスパッと辞める」と明確な答えを示した。

 とはいえプロボクシングの世界では、需要がないとリングに上がれない。この時点で25勝(12KO)8敗3分け。のちの人生に影響を及ぼすダメージの危険性だってある。負けが少ないとは言えない中、体を張りながら“死線”を生き抜いている。

「中には『この人、プロボクサーだったんだ』みたいな人もいると思う」と注目度の高さを感じているのがYouTubeだ。チャンネル内では「複雑な生育過程の経験、そして会社経営者としての視点を活かしたビジネス系、教育系のエンタメYouTubeチャンネル」と説明。「2018年金融機関を退職し、VALENTINE PROMOTIONSを設立。スポーツ選手の芸能活動を支援し、不動産事業も手掛けている」と経歴も紹介している。

 始めて1年が経つ。最初からボクサーとしての人気獲得が目的ではない。トーク力と地頭の強さを生かした内容を展開してきた。

「俺が話したい、俺が熱を込められるもの。自分の好きなことをやるのがトピックだった。やっていく中で『プロボクサー・細川バレンタイン』じゃなくて、『細川バレンタインという人間はどんな人なのか』ということに興味を持っていただいた。それは本当に嬉しいです。チャンネル名は『前向き教室』だけど、別に何かを教えているわけじゃない。俺はこう考えるよって。

 必ずトークの締めは『俺はそう思う』で締めるようにしているんです。なぜかというと『俺はそう思う。あなたはどう思うんですか』と。いろんな媒体、メディアを見ていても、日本は断定的に話すことが多いですよね。一般の人たちはそれを見て鵜呑みにする。僕はそれが好きじゃないんですよ。自分の頭で考えてやる。それをあなたがどう思うか」

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